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数学と数学教育
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アリストテレスの「A命題」をハッセ図にのせてみる

 山下正男『論理学史』では、論理学の幾何学的表現のような図が最初に示されたうえで、まずはプラトンの「イデアの分割」から話が始まります。そして、ネオ・プラトニズムの「ポルピリオスの樹」へと進み、インドの論理学にふれたあと、アリストテレスの名辞論理学へと移っていきます。ブールが出てくるのはそのあとです。

 ブールが出てくるよりも前の部分で面白かったのは、アリストテレスが扱う命題をハッセ図にのせるプロセスです。アリストテレスには次の4種がありますが、

 ■すべてのaはbである(A)
 ■あるaはbである(I)
 ■いかなるaもbではない(E)
 ■あるaはbでない(O)

このうちのI、Oは基本的には4つの領域をもつベン図で表せるけれど、AとEについては3つの領域からなるベン図になるので、もとのハッセ図と同じにはなりません。しかし、もとのハッセ図に細工をすることで、A命題、E命題に対応するハッセ図を作ることができます。

 その経過をみていきます。

 すべてのaはbであるということは、aの輪がすっぽりbの輪に含まれているということであり、aなのにbではないという部分がない、ということになります。

  

 その結果、下の点線でつないだ部分は同じになり、点線部分をなくして考えてよいことになります。

  

 実際に、点線を1本ずつなくしていくと……

  
  
  
  

 これを動画でみたら楽しいだろうなぁ。

 そうしてできあがった最後の図を整理すると次のようになります。

  

 山下正男『論理学史』の図19は上記のことを語っているのだと理解するまでに、けっこう時間がかかりました。実際に自分で図を変形してみて、やっとわかりました。
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