TETRA'S MATH

数学と数学教育
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カタラン数の一般項を求める場面の見所

 結城浩『数学ガール』においては、母関数の閉じた式を「僕」がつくり、それがミルカさんの手によって一般項へとつながっていきます。だけど、ミルカさん自身は別の方法ですでに一般項を求めていました。漸化式からもっていくという方針を途中で変更し、最短経路の問題に帰着させた結果、次のようなシンプルな式を得たのです。

   

 かっこの中の縦に並んだ2nとnの意味は、「2n個のものからn個のものを選ぶ組み合わせの数」つまり 2nCn と同じなのですが、何しろいまは数列の名前にカタラン数の頭文字のCを採用しており、これにコンビネーションのCが混ざると紛らわしくてしょうがないので、かっこの表記方法をとることにします。

 なお、最短経路に対応させる考え方は、「カタラン数」を扱っているWebページの多くに載っているのではないかと思います。面白い話ではありますが、ここでは詳しい説明は割愛して、先に進みます。

 さて、一般項を求めるだけならば、母関数を経由せずに最短経路に帰着させて求めたほうが、考え方もわかりやすいし、見た目もすっきりしています。でも、母関数から苦心して一般項を求めると、最短経路に対応させるのとは違う感動があります。

 私が面白いと思ったのは、最短経路に帰着させて解いたときの組み合わせの階乗の計算と、「母関数の閉じた式→一般項」のプロセスで出てくる微分の計算(次数が階段のように降りていくこと)がつながるところです。

 微分って連続量を扱う作業の代表のような印象があるけれど、次数が階段のように降りていくというのはあらためて考えると不思議です。

 なお、『数学ガール』では第6章で「下降冪階乗」というものが出てきていて、これを使うと何かと便利なのですが、TETRA'S MATH では下降冪階乗の表記を使わずに突っ切ります。

(つづく)
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