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数学と数学教育
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「a」を翻訳するとえらいことになる

 清水義夫『圏論による論理学 高階論理とトポス』のなかの、略式モンターギュ文法による自然言語の断片の形式化のところを読んでいます。ちなみに検索するとモンタギュー文法と出てきます。こちらの言い方のほうが近いのかな?

 前回は John でしたが、次は a fish です。"a fish walks." !

 構文解析は図で示されていて、いまとなってはこれがとてもわかりやすいのですが、とりあえず言葉で表現すると、

  fish に a が作用して a fish になり
  walk(s) に a fish が作用して a fish walk(s) になる

という具合です。

 普通名詞 fish は fish´et で いいのですが、限定詞 a(または any、some)はえらいことになります。こんな感じです↓

     λxet.λyet.∃ze(xet(ze)∧yet(ze))

 ブログのエディタ画面ではもっとえらいことになってます。aがよくここまで増殖したことだと思うことであります…って、そういう話じゃないけど。

 ちなみに限定詞 all(または every)の場合、上記の「∃」が「∀」に、「∧」が「⊃」になります。こういう論理記号についてはもちろんのこと、これより前の部分に説明があるのですが、そのあたりは割愛して結果的に a fish walk(s) がどう翻訳されるかを示すと、次のようになります。

  (λyet.∃ze(fish´et(ze)∧yet(ze)))walk´et

 これが論理規則によって ∃ze(fish´et(ze)∧walk´et(ze)) と整理されます…って、今回は整理された感じがあまりしませんが。

 そしていよいよ、

  John believes that a fish walks.

です。何がいよいよかというと、こういう「――であること」、つまり that 節はどう表現されるのかという意味でのいよいよです。結果だけ示すとこんな感じです↓

 (λxet.xet(je))(believe´t<et>(∃ze(fish´et(ze)∧walk´et(ze))))

 もはや完全に宇宙語です。これがλ-h.o.l.の論理規則とカリー化なるものによって、変形されていきます。

 見た目には記号の羅列で宇宙語だけれど、自然言語の断片がこんなふうにして形式化できるというのはありがたいことなんじゃないか…と、ほんのり感じます。

 で、段階的に考えてきたことをひとつにまとめて、図1.4と図1.5を合体させると次のようになるのだろうと私は理解しています。



 なお、be動詞を含む例文の翻訳も示されています。

 勘違い等に気づいたときには、そのつど訂正させていただきます。

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