TETRA'S MATH

数学と数学教育
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adjunctionから急にスピノザ

 べクトル空間の枠について考えていたら思考が滞ってきたので、視点を変えるべく、もう一度、谷村さんの「物理学者のための圏論入門」()を読み返していました。

 そしたら急に、スピノザ到来です。といっても、もちろん谷村さんの文章にスピノザは出てきません。

 きっかけになったのは、p.6の adjunction という言葉です。そして頭に浮かぶ「台風」というキーワード。さっそく「台風」でサイト内検索したところ…

 スピノザの「並行論」を台風で考える
 http://math.artet.net/?eid=1421867

 上のエントリはなんとなく覚えていました。じゃあ、アジャンクションはなんだったのだ…と検索したところ…

 いま現在の状況
 http://math.artet.net/?eid=1421869

 !
 

もしかしたら、17世紀にスピノザがユークリッドをお手本にして示そうとした「神」は、圏論っぽいもので、よりうまく表現できるのではないか・・・と、そんなことをシロウトながらにうっすら感じてみたり(それができたとして、だからどうなんだ、というのはよくわからないままに)
 そんなことを書いていたようです、4年半前。気がつけば、さっきのエントリの次のエントリです。(もう少しタイトルをわかりやすくしておきたいものだ)

 スピノザを開く前に、ひとまず、郡司ペギオ幸夫『時間の正体 デジャブ・因果論・量子論』の第5章をのぞいてみました。p.156の図5−12にこんな説明がついています↓  
図5−12 要素に定位した世界像(右)とグループに定位した世界像(左)の間に認められる、もれのない一対一の対応関係(アジャンクション)
 そして久しぶりに、上野修『スピノザの世界』を開いています。なお、この本の最初のほうで矢印「→」を使った話が出てきており、p.79の図1では矢印を駆使した図が示されていますが、そういう意味での圏論っぽさではありません。

 この図は『エチカ』第1部の定理証明の導出の図であり、私もかつてこのような試みをしたことがあります↓

実際にスピノザ『エチカ』をちょいとのぞいてみる/第1部定理11の導出(図あり)
http://math.artet.net/?eid=1421857

 という意味での矢印たちではなく、いま考えたいのは並行論のこと。なお、上野さんの本にあわせて「平行」ではなく「並行」の表記にしています。参考Webページをひとつリンクします↓
http://qlomaga.com/western-philosophy/spinoza-02/
(私が上野さんの本から感じとっている並行論とは少し雰囲気が違いますが、わかりやすい参考として/追記:少しじゃなくてだいぶ違うかも…)

 もし、上記のような並行論と圏論に何か似ているものがあったとしても、圏論をがっつり使って並行論を説明できるかもしれないというようなことは、いまは思っていません。ただ、圏論のさわりを知っていると、並行論をイメージしやすくなるのではないか。そんなことを感じています。

 同じことが、別の哲学的議論に対し、微分積分についても言えるように思います。

 さらに今回、『エチカ』の「幾何学的秩序」とはまったく別の意味で、スピノザの議論に何か自然科学的なものを感じました。ちなみに、スピノザが一番勉強したのはデカルト哲学とのこと。

 ついでにライプニッツのことも思い出していました。人物紹介の際の"肩書き"に、「哲学者」と「数学者」が並んで示される、偉大な人たちのことを。

 おまけに、仏教のことも思い出しています。
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