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数学と数学教育
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『圏論の歩き方』の第一印象と、衝撃の第二印象

 『圏論の歩き方』(圏論の歩き方委員会編/日本評論社/2015年)を購入しました。「まえがき」および第1章の座談会の段階までは、「ごきげんな本だな〜♪」と思いながら読んでいたのですが、第2章に入ったとたん……

 ななな、なにこのむずかしさっ 汗

と、ひるみましたワタクシ。いえ、第2章は「圏の定義」なので、前半はある程度わかるのです。がしかしそれは、かつてそれなりに勉強したからであって、あの作業がなかったら「無理!」とページを閉じていたと思います。あのくらい勉強してようやくこの1ページについていける、そんな世界なのかここは!?

 その他の章も「いったい何の話をしているの??」という感じで気持ちは萎え、流し読みさえできず(そのことにあとで気づいたしだい)、パタンと本を閉じたあと落ち込みましたのワタクシ。楽しみに待っていた本なだけに。そしてこんなフレーズが浮かびました。
 
 私の頭はもう終わっているかもしれない。

 落ち込むあまり、責任の所在に想いを馳せたりして…
 → 私の頭がわるいせい?
 → 圏論がむずかしすぎるせい?
 → 語り部たちの能力不足のせい?(^_^;

 いや、少なくとも2番目は違うはず。というのも、他にも私が理解できていない、できそうにない数学の概念は山ほどあるわけでありそんなものばかりであり。だからそうだ。こういうことなんだ。

 → 一般人なのに圏論に興味をもったせい。

って。自分で書いておきながらなんですが、それはあまりにもあんまりだ。そんなことを感じるためにこの本を買ったんじゃなーい!

 なおかつ、「圏論ってなに?」もさることながら、異分野協働というものにも興味があるし、きっとこの本はそれぞれのジャンルで圏論が見せている表情を感じさせてくれるものなんだろうし、安くはないお金で買ったのだから、もう少し食いついていきたい、いかなければ!と思いなおしました。

 あらためて「まえがき」を読み直してみれば、この本は「圏論をできるだけわかりやすく説明します!」という目的の本ではないのです。圏論という数学の「コトバ」を習得するために、

● 情報処理能力をはるかに超えた量の情報の洪水
● トライ・アンド・エラーの機会

の2つのことに力点が置かれた入門書なのでございます。まずはそのことを念頭においておかなければなりません。そして、委員会の方々は、(最初はともかく)この本の最後まで流し読むことと、何度も読んでみることを推奨しています。

 じゃあ、がんばってみるかということで、まずは第1章の前半をもう一度落ち着いて読んでみました。そうしたところ、前よりは入り込めそうだと感じました。実はこの本が到着する前に、谷村省吾『理工系のためのトポロジー・圏論・微分幾何〜双対性の視点から〜』(2006年/サイエンス社)を再び開いていたのですが、以前は意外と苦戦したmonoについてハっとしたことがあり、そのことを『圏論の歩き方』でも再認識する思いがしました(後日くわしく書く予定でいます…書けたら)。

 それから、「第3章 タングルの圏」も再び読みました。この章に関しては、最初に読んだときにも、ここなら理解できるかも…と感じたところだったのですが、いまとなってはこれを第3章にもってきたのは正解だったかもしれないと急にえらそうなことを思ってしまうゲンキンなワタクシ。

 続くプログラムの話はやっぱり読めなくて、その先も読めなくて、「うーん、私が読みやすいところはないかなぁ…」と目次をながめていたら、「第12章 すべての人に矢印を」という項目が目に入りました。「圏論と教育をめぐる冒険」という副題がついています。「あら、教育論かしら?」といまさらのように気づいたワタクシ。最初に一度ぱらぱらとめくったはずなのに、そういう内容であったことをまったく意識していなかったようなのです。

 で、読んでいくうちに……

 あれ………あれ!?……あれぇーーー!?

となったしだい。かくして参考文献のところに銀林浩『量の世界-----構造主義的分析(教育文庫8)』の文字をはっけーん!(追記:ちなみにこの章を書くにあたって参考にしたということではなく、執筆後に古本を取り寄せて読んだ本ということのようです)

 えー! 気がつかなかった〜〜

 最初にページをめくったときには、第12章あたりまでくるともうほとんどあきらめかけていて、「流し読み」さえしていなかったのでしょう。

 というわけで、とっかかりはありそうだとわかり、少し気持ちが落ち着いてきて、この本に取り組む勇気がわいてきたところです。

(つづく)
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