TETRA'S MATH

数学と数学教育
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芦田宏直×本間正人 トークセッション『ソーシャルメディア時代に求められる人材像とは?』の動画を観て(4)

 芦田宏直さんと本間正人さんのトークセッションの感想を書いています。

 芦田宏直×本間正人 トークセッション
 『ソーシャルメディア時代に求められる人材像とは?』
 (芳林堂高田馬場店)

 http://www.ashida.info/blog/2013/11/post_427.html

 上記のページからもいけますが、YouTubeはこちらです。↓
 https://www.youtube.com/watch?v=k4X9uJCeUws



 動画1時間4分後以降、これまでの芦田さんの議論を受けて、本間さんは、芦田さんがいうところの摩滅しないコアを作ることと実習を充実させるという観点から考えてみたとき、実習を充実させていくほうが現実的だと思う、とおっしゃいます。芦田さんがワクワクした授業でも、同じ教室の中で寝ていた学生がいると思うし、そちらのほうが多かったんじゃないか、と。

 そして本間さんは、自分の目標は「最終学歴」という言葉を死語にしたいということと、それにかわる「最新学習歴」という言葉について話されます。たとえばきょうこのトークセッションに参加した人に、芳林堂から学位が出るわけではないが、何かここで気づきがあり、学びがあるのであれば、それは最新学習歴を更新したことになる。

 いまは自ら学ぼうと思えばさまざまな学習資源が存在しており、自分のタイミングで学び続けることができる。学びの開花時期は人によってちがっていて、それでまったくOKだというのが、本間さんの考えです。

 それに対して芦田さんは、免許証更新のときに見せられるビデオを例にとって、こんな話をされます。あの衝撃的なビデオを観たときだけは、これから二度とスピード違反をしないでおこうと思う。でも、3日ほどしたら忘れている。このトークセッションも、交通事故ビデオのようなものだ、と。

 学校教育が生涯学習と違うのは、長い時間をかけて教育しないと身につかないものを、身につけさせることだと。こういう経験を若いときにやれているかどうか。

 ここでちょっと自分自身の体験から思うことを書いておきますと、私は娘が幼稚園〜小学校低学年のときに、子育てに関するレクチャーや講演に行く機会が何度かあったのですが、こういう講演会は、1回こっきりでも意味があったといまでも思います。でも、数学関係のレクチャーなどは、1回だけではどうにもならないなぁと思ったことがあります。(その点、森田真生さんの連続していない1回だけのイベントは、単発でも十分に刺激的なものでした。直接、数学の内容に踏み込むものではなかったので、それが可能だったのだと思います。)

 トークセッションに話をもどすと、芦田さんいわく、偏差値の低い子どもたちというのは、「交通事故のビデオ」的なものでしか感激しない、そういう子どもたちを作ってしまっていると。そしてこのあとTwitterの話が出てきます。Twitterはいつも交通事故。タイムラインは短い時間の刺激で、役に立ったとか、この人いいこと言ってるとか、アホか、とかいうことの連続。最終学習歴を更新し続けているようなもの。

(考えてみればこのトークセッションのテーマは「ソーシャルメディア時代にもとめられる人材像とは何か」だったんですよね。でも、結果的にソーシャルメディアはあまり関係なかったですね。「キャリア教育の問題点と可能性」あるいは「学校教育と社会の接続性はどうあるべきか」のほうが近かった気がしますが、このテーマだと参加者数、減ったかもしれませんね。それはそうとして、芦田さんはとどのつまり、Twitterについてどう思っておられるのかな?とあらためて思いました。『努力する人間になってはいけない』を読んでいると、なんかすごいものに思えてくるのですがTwitter。

 とにもかくにも芦田さんは、Twitterのような「短い時間の刺激の連続」の対極にあるのが学校教育だと語ります。長い時間をかけて手順をふまないとわからないことを教え続け、ひとりの主体を形成していく。ここを通過しない人の人生は悲惨だ、と。

 学校教育の特殊性の意義を高く評価している芦田さんは、若いときにしかできない勉強を若いときにきちんとさせるということがなければ、「らーのろじー」(あとで触れます)がうまく機能してようにはならない、と指摘します。学校教育のときから「最新学習歴」の発想を持ち込むと(キャリア教育がそうなっている)、若いときの主体形成がかなり阻害されるという弊害を心配している、と。

 私はこのたび「らーのろじー」という言葉を初めて知ったので、ちょっと調べてみました。たぶん、ラーンにオロジーがついた言葉なんだろうと思ってましたが、やはり日本語でいえば「学習学」のことのようです。平仮名表記なんですね。

 で、このあとは質疑応答の時間に入っていきます。

(以上は、1時間4分〜1時間13分後の感想です。)

(つづく)
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