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数学と数学教育
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学習指導要領「解説」の中で、割合の三用法はどこに出てくるか。

 小学校学習指導要領解説[算数編](文部科学省著/東洋館出版社/2008年8月)を読んでいます。

 なお、「まえがき」などはありませんが、同じ内容のものを文科省の次のページから読むことができます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syokaisetsu/

 引用部分のページ数は、前者について「冊子p.○○」、後者について「PDFファイルp.○○」と示します。



 まず前回の補足ですが、「言葉の式」に関して、第4学年の「公式」のところに次のような説明があることを書いていなかったので、追記しておきます。

 第4学年で取り扱う公式とは,一般に公式と呼ばれるものだけに限らず,具体的な問題で立式するときに自然に使っているような一般的な関係を言葉でまとめて式で表したものも指している。公式については,数量を言葉で表しているということの理解と,言葉で表されているものにはいろいろな数が当てはまるということの理解が大切である。
(冊子p.136/算数(2)PDFファイルp.158)

 さて。

 前回の「言葉の式」で、いわゆる割合の三用法が出てきませんでした。「もとにする量」云々のアレです。実は、解説でもちゃんと出てきているのです。言葉で示したあと記号化しているので完全な「言葉の式」ではないのですが、ほとんど「言葉の式」といっていいと思います。

 それはさておきびっくりなのは。第5学年の「割合」で出てきているわけではないのです。その前の、小数の乗法、除法の意味で出てくるのです。

 例えば,1メートルの長さが80円の布を2メートル買ったときの代金は,80×2という式で表せる。同じように,「1メートルの長さが80円の布を2.5メートル買ったときの代金が何円になるか」という場合,布の長さが2.5倍になっているので,代金も2.5倍になるということから,80×2.5という式で表せる。
 こうしたことから,整数や小数の乗法の意味は,Bを「基準にする大きさ」,Pを「割合」,Aを「割合に当たる大きさ」とするとき,B×P=Aと表せる。
(冊子p.143〜144/算数(2)PDFファイルp.166)

 除法の意味としては,乗法の逆として割合を求める場合と,基準にする大きさを求める場合とがある。
 Bを「基準にする大きさ」,Pを「割合」,Aを「割合に当たる大きさ」とすると,次のような二つの場合である。
  P=A÷B
 これは、AはBの何倍であるかを求める考えであり,除法の意味としては,Pが整数の場合には,いわゆる包含除の考えに当たる。例えば,「9メートルの赤いリボンは,1.8メートルの青いリボンの何倍になるか」という場合である。式は,9÷1.8となる。
 ◆B=A÷P
 これは,基準にする大きさを求める考えであり,除法の意味としては,Pが整数の場合には,いわゆる等分除の考えに当たる。例えば,「2.5メートルで200円の布は,1メートルではいくらになるか」という場合である。式は,200÷2.5となる。
(冊子p.144/算数(2)PDFファイル)

 では、百分率のところではどう書いてあるかというと、
 資料を数量的に考察する場合には,数量の大きさの間の関係を差でとらえる場合と割合でとらえる場合がある。資料の全体と部分,部分と部分の関係を考察する場合には,割合を用いて表す場合が多い。
 第4学年までに,基準にする大きさを1として,それに対する割合を小数で表すことを経験してきている。第5学年では,百分率について理解し用いることができるようにすることをねらいとしている。
 割合をなるべく整数で表すために,基準とする量の大きさを100として,それに対する割合で表す方法が,百分率(パーセント)である。したがって,割合を整数で表すと分かりやすいというよさに気付くようにすることが大切である。
(冊子p.162〜163/算数PDFファイルp.189)

というふうに、文章で説明しています。つまり、第4学年で割合は履修済み的な発想になっています。

 実際にそうなっているとは思っていたのですが、解説に明文化してあるじゃないか!と、驚きました。これだと、割合はわり算が先とはいえなくなりますね。

 ちなみに、小数の乗法・除法の意味では、二重数直線もしっかり出てきます。

(つづく)
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