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数学と数学教育
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鈴木健『なめらかな社会とその敵』に出てくる数式を細かく読み解いていく(6)/p.78のつづき

 『なめらかな社会とその敵』(鈴木健/勁草書房/2013)のp.76〜78に出てくる数式を細かく読み解いているところです。前回で(4.19)まできました。もう一度のこの式をば。

 (4.19)

 
 で、この式から(4.20)にいくときの式変形を、私は次のように考えました。

 (tamami)

というわけで、

 (4.20)

が導き出されます。この式をまじまじとながめてみると、実はそんなに複雑な形をしていないなぁと思いました。−Ebbがなければもっとシンプルになるんだけれど。この式は、時間(t+1)における「買い手bさんの」貢献度が、時間tにおける(?)貢献度に対して、どのような比率になっているか、ということを示す形になっています。「1−Ebb」というのは、自然回収としての自己評価分をのぞく評価(つまり自分以外への評価)で、分母はそれにαを加え、分子はそのままの形になっています。αが大きければ大きいほど、分母が大きくなり、分数全体は小さくなるので、貢献度も小さくなるということは、感覚的にわかります。しかし、ひき算ではない。
 
 さて、先に進みます。売り手sさんにとって、「流入の差分」と「流出の差分」は等しいことから、(4.21)という式が示されているのですが、1行目のイコールは式変形のイコールで、2行目のイコールは等式のイコールだと思うので、意味の異なるイコールが並列しており、私にとってはちょっとわかりにくかったです。というわけで、私は次のように考えました。ただし、最後のところでなんだか無理があるので、何かを間違っているか、あるいは意図をつかめていないのかもしれません。

 なお、すでに書いたように、ここから先、Eやcの右肩にtがついていないのですが、私としてはつけたほうがわかりやすかったので、つけてあります(つけちゃいけないのかもしれないけれど・・・)。まず、「流入の差分」については、


(tamami)

 私はここでとめたのですが、本では次のような式になっています。

 (4.21)にいたる過程の一部

 こういうふうに式変形できないこともないのですが、なんだか不自然なので、逆に、本に載っている式が自分の式と一致することだけ確かめておきます。

 (tamami)


 長くなったので、ひとまずここまで。


(つづく)

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