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数学と数学教育
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「比的率」は外延量という考え方(6)/「割合」のイメージ

【「比的率」は外延量という考え方】

(1) 比的率とは何か
(2) 問題意識
(3) 「割合の三用法」の組み換え
(4) 国際単位系SIと「単位1」
(5) 「単位」の深みにはまる



(6) 「割合」のイメージ

 これまで私は、「100gの20%は何gですか?」ときかれたとき、100gをひとまとまりのものとしてみなそうとするのは20%のほうだと思っていました。みなそうとするというか、100gをひとまとまりのものとしてみなすことを引き受けるのは20%のほうというか。20%=0.2=0.2/1 と考えれば、イメージとして、
 
  「100gの・・・」の段階では、ただそこにある100g

  「20%は?」となったときに、100g × 0.2/1(100gさんよろしく!)

という感じでしょうか。しかしこのたび、比的率は外延量かもしれないと考えてみて思うことは、20%が登場した瞬間に100gはシャキーン!とくくられてしまい、1あたりの量になることを強制させられてしまう、といったようなイメージになりました。20%は100gに対して、内包量となすことを課すというか。

  「100gの・・・」の段階では、ただそこにある100g

  「20%は?」となったときに、

    100g(え!?) と思うひまもなく、
    シャキーン![100g]と括られて
    [100g] × 0.2(ニヤリ)
    100g/1 × 0.2

という感じ・・・(^^;
 
 あとそれからもうひとつ、こんなことともつなげていました。郡司ぺギオ-幸夫『時間の正体 デジャブ・因果論・量子論』の第2章の「デジャブ・木/森の可換性」を読んでいたときに考えた、大和証券グループのCMと、ウイスキーのポスターのことです。大和証券グループのCMは、ある店で働いている青年が、店の主人から「給料の2割を貯金するように」と言われたときに「無理だ」と答えたのに、「給料の8割で暮らしてごらん」と言いかえてみると「やってみる」と答えたという話。また、ウイスキーのポスターのほうは、びんにウイスキーが半分残っているとき、主にとっては「もう半分」、客にとっては「まだ半分」になるという話です。

 どちらの例も、「8割、2割」と「半分(1/2)」という割合が使われていますが、この話は数値を割合にしないと成り立たないということを、あらためて思いました。たとえば「4万円貯金してごらん」や「まだ500mL」ではピンとこない。前者の場合は、給料が20万円だと固定されていてこれが「1」だという感覚が強かったら成り立つでしょうが、そうじゃないと別の話になってしまうと思う。その点では、後者のほうがより明確に図と地の対立を示せるように思います。つまり、図と地を生じさせるには、図と地があわせて「1」になってないといけない(と言ったとたん、何かがかすかに不安だけれど・・・)。そうしないと、図は図になれず、地は地になれない。さらに、「2割を貯金」と言われたときに「給料の2割」があらたにシャキーンとくくられ、そのほかが地に退く。ウイスキーの場合は、「もう半分」ではびんそのものが空の部分を含めてシャキーンとくくられるのだけれど、「まだ半分」では残ったほうの半分がシャキーンがくくられて、いったん「びんのなか」だった空の部分がほどかれ、地に退き、二重の対立が起こるのではないかと。

 このたび新たに行動経済学&社会心理学の研究フレーミング理論とは何か?というページを見つけたのですが、これを読んで思い出したのは、確率による出生前診断・5のことでした。私はトリプルマーカー検査という出生前診断を受けたときに、羊水検査を受ける目安を1/20と設定したのですが、この1/20は医療の世界ではかなり高い確率になるようなのです。パーセントでいえば5%ですが、たとえば「成功率5%の手術です」と言われると、5%が絶望的なほど低く感じられはしないか、という話です(上記ページの死亡率・生存率とは別の例になりますが)。

 などなど、あれこれイメージは派生してゆくわけなのですが、それはそうとして、そろそろ考えたいのは比例のことです。


(つづく)
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