TETRA'S MATH

数学と数学教育
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「比的率」は外延量という考え方(1)/「比的率」とは何か

 数日前に、とある公立高校の物理の先生からメールをいただきました。ブログで紹介させていただくにあたりハンドルネームをおうかがいしたところ、tetragonさんとのこと! ふふっ tetraついてるけど私ではありませんよ〜(そういえばこのブログではtamamiなのだった。なお、-hedronではなく-gonさんです)。これから書くことに関連する議論をfacebookに掲載されているということですので、まずはそのURLをお伝えしますね! ↓
http://www.facebook.com/kazuaki.nemoto.3

 tetragonさんからのメールには、「比的率」は外延量であるという考えにいたった、という話が書かれてありました。最初は内容がよくつかめず意味がよくわからなかったのですが、何通かメールのやりとりをさせていただくうちに、目から鱗が落ちる感覚を味わい、私の疑問が開かれていくのを感じました。これまでは思いつくまま、思いついたところから感想をお伝えして、お返事をいただいていたのですが、これから先は、その思考のプロセスをブログにあげていくことにします。

 なお、はじめにお断りしておきますと、これから綴る内容は、そのまま「これが正解だ!」「学校現場ではこう教えるべきだ!」ということにつなげようとするものではありません。また、「かけ算の順序問題」にも抵触必至の内容になるかと思いますが、特にどちらの立場に立つものでもありません。まるで新しい概念をはじめて学ぶ子どものように、「こうなんじゃないかな?」「こうだとしたらどうだろう!?」と思考を楽しみたいと思っています。

 さて、まず「比的率」とは何かということを確認するために、遠山啓および数教協の「量の体系」を復習します。「量の体系」では、まず、量を「分離量」と「連続量」に分け、「連続量」を「外延量」と「内包量」に分けます。そしてさらに内包量を分けていくのですが、私が確認できているだけでこの内包量の分類は2通りあります。1つは、内包量を「度」と「率」に分け、これに「倍」と「比」を加えて、「度」「率」「倍」「比」の4つを「割合」として1つにくくりなおす系統図。もう1つは、「内包量」を「度」「率」「倍」「比」の4つに分け、それをまた「割合」として1つにくくる系統図です。これらはほぼ同じ時期に発行されている著作物に掲載されているので、どちらからどちらに明確に移った、ということではないのだろうと私は認識しています。後者の場合、結果的に、「内包量」=「割合」ということになりますが、前者の場合は、内包量とされるのは「度」と「率」だけということになります。

 「外延量」とは、“大きさ”もしくは“広がり”の量であり、合併が加法を意味する量です。これに対して「内包量」は“強さ”の量と言えます。また、「度」は異種類の量の除法によって得られるもの(密度など)、「率」は同種類の量の除法によって得られるもの(含有率など)です。遠山啓は、「度」のほうが「率」よりもとらえやすいので、「度」を先に、「率」をあとに学ぶのがよいと考えました。

 さらに、量の系統図には含まれませんが、「率」を「度的な率」と「比的な率」に分ける発想があります。「度的な率」というのは、均等分布が考えやすい「率」で、例の小豆の混合率などがあてはまります(>)。これに対して、均等分布が考えにくいもの、つまり、“よくかき混ぜる”ということのできない「率」(打率や三角比など)を、「比的な率」と呼びました。この三角比というのは遠山啓が出してきている例なのですが(『量とはなにか―機p.133)、ここで比を出してきちゃうと、あとで加わる倍と比ってなんだよ〜?と問いたくなってしまうことであります。まあ、それはおいといて・・・

 そして遠山啓は、「比的な率」は「度」の自然的発展としては考えにくいので、比例のあとにやったほうが無理がなくてよいだろう、と考えたのでした。

(つづく)

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