TETRA'S MATH

数学と数学教育
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かけ算における「ハタラキ」という言葉の整理

 きのうのエントリ、小数のかけ算と、ブラックボックスと、圏論 (1)では、対置させられるべきものを同時に「ハタラキ」と読んでしまっており、きわめて意味不明な文章になっておりました、失礼しました。買い物の帰り道に「あ・・・」と気づきました(笑)。
 
 なんでこんなことになってしまったのかというと、まず私の頭の中が整理されていなかったことがあり、加えて、話の途中でよかれと思ってメタメタさんの記事から中途半端に言葉をお借りしたこと、そして銀林浩の文献に出てきていた記憶がある「働き」という言葉を思い浮かべながら続きを書いたので、こういうことになってしまいました。

 で、「かけ算」のおおもとにもどって、整理していきます。

 かけ算の式は、○×△=□という形をしていますが、この○を被乗数(かけられる数)、△を乗数(かける数)と呼ぶ場合があります。学習指導要領もこの考え方に基づいているようです()。メタメタさんは、これを「モノ(コンテンツ)×ハタラキ(オペレーター)」と書き換えて話をすすめておられ、つまりは「×」のあとの数値、乗数を「ハタラキ」と呼んでおられます。
http://ameblo.jp/metameta7/entry-11137286843.html

 一方、数教協のかけ算の定義は、「1あたり量×いくつ分=全体の量」であり、これを比例(a×x=y)につながるものとしてとらえると、「1あたり量」(単位あたり量)は比例定数です。そして、ブラックボックスはxを入力してyを出力するものであり、比例の場合は「×a」が「ハタラキ」になります。つまり、xという原因からyという結果を生むハタラキ(関数、写像)を、「内包量」というもので「実体化」させようとしたのが「量の理論」の要だと私は認識しています。小島寛之さんもそう書いておられます。>

 というわけで、きのうのエントリでは、私はまったく別のものを「ハタラキ」と呼んでしまっていたのでした。すみません〜〜

 メタメタさんの上記エントリの話の流れでいけば、「モノ×ハタラキ」を、「ハタラキ×モノ」にかえ、さらに「モノ×モノ」に変えたのが、数教協方式だと考えてもいいのかもしれません。そして、「モノ×ハタラキ」を、そのまんまの形で「1と見る量×倍」として考えるのが、いわゆる学校でいうところの「割合」の考え方です。「1あたり量×いくつ分」の場合とは、「1」の意味が異なっています。

 なので、例の小豆の混合率の問題で子どもたちが出してきた式は、示唆深いのでした。>「単位量あたりの大きさ」と「割合」の違い (3)

 ほんでもって私は何が言いたかったかというと、「1あたり量×いくつ分=全体の量」と定義されたかけ算の式は、

(私には動かせない前提としての数値)×(いま私が必要としている結果を出すための数値)=(必要としている結果)

という形になっているのではないか、ということが言いたかったのでした。「1mの重さが2.3gのはり金があります」といわれたとき、私には「2.3g/m」という数値は動かせません。もう、このはり金を使うと決めたのだから。問題に「4mでは何gになりますか」とあるのだから4mだって動かせないじゃないかと言われるかもしれないけれど、実際は何mでもいいのです。とりあえず4mを必要としている人のかわりで問題を解いてあげるだけで。だから、学校図書の教科書の場合は、すぐに「小数×小数」に移行できるわけです。今度は3.4m必要になった、そうなるとどうなるだろうか・・・というふうに。(もちろん、4mを使うと決めて、あれこれいろいろな針金を検討する場合もあるでしょう。だから、かけ算の式の順序を固定することの意味や、固定することはおかしいことの根拠を示すためにいまこのエントリを書いているわけではありません。)

 その、私が操作できるところのもの(A×B=C → AにはたらきかけてCという結果を出すB)を「ハタラキ」と呼び、なおかつ、私が手を出せないすでにある機能(y=ax → xをyに変換させるaという機能)をも「ハタラキ」と呼んでしまったので、結果的に「ハタラキ×ハタラキ」という、みょーなことになってしまったのでした。

 ・・・整理されたかな!?


(おまけ) ゆうべのお風呂での娘との会話。

私「ブログでまちがったこと書いたから、あした訂正しなくちゃ」
娘「きょう書かなくていいの?」
私「時間かかりそうだからさ」
娘「そうか」

 そして、小学校1年生にかけ算を教えるときどう教えるかという話、かけ算とはなんぞやの話になり、
   ・
   ・
   ・
私「それだったら、たし算があればいいんじゃないの?」
娘「だって大変だよ〜〜 大変だったんだから()」
私「じゃあ、かけ算ってどういうときに使うのよ」
娘「クッキーくばるときとか」
私「3まい、2まい、1まい、1まい・・・ってくばったら使えないじゃん」
娘「平等じゃなきゃだめだよ」
私「・・・・・それだ。」

 そうか、「平等」という言葉を使えばよかったんだ。それいただき。「1あたり量」というのは、平等なんだね。
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