TETRA'S MATH

数学と数学教育
<< 父が語る、「私と数学」 (3) | main | 教師として生きてきた両親と、教師にならなかった私。 >>

父が語る、高校教師・補導主任の日々

 父の『思い出の記』第1部から、「私と数学」の部分を読んでみたが、もちろん教師としての仕事は数学の授業だけではないわけであり、そのほかの部分(の一部)を第3部から抜き出してみようと思う。

 私立高校に勤め始めて3年めくらいのときに、父は学年主任に命じられ、同時に補導主任もまわってきたという。昭和40年度なので、父が33才くらいの頃。このあと2年間、大変な苦労が待ち構えていたらしい。授業の受け持ちのほうは、担任をしていた1年生の特別学級は手がかからなかったそうだが、他の1クラスと2年の1クラスは授業を成立させるまでに若干の時間を要し、事情があって自ら受け持った商業科3年のあるクラスは男子だけの学級で、「騒々しさに加え、猛々しさが醸され、威圧の姿勢を構えなくてはならない」という状況であったそう。

 さて、補導係(だったから、ということではないものも含まれているのだろうけれど)のお仕事のほう。生徒のイニシャルを実際と関係なくAから順に示すことにすると、ざっとこんなふうに記録している(補導主任2年目の日記より、1学期分を抜粋)。↓

[4/14] 化学教室で二年生三人が喧嘩。靴、長靴、傘の連続盗難。
[4/16] 単車に乗って帰る生徒を捕まえるため張り込み。店を間違えて失敗。A退学勧奨を補導委員会で決定。
[4/19] ○○駅前の○○氏宅倉庫で汽車通生数人が暴れていると言う通報。急行するも影見当たらず。
[4/25] (遠足の日)・・・結局現地で集合解散の羽目になった。教頭の心配通りバイクでやって来た者が多かった。それを摘発し説教するのは担任ならず我々補導部の仕事なのだ。
[4/26] 昨日単車で現地に行った生徒数名を補導する。警察署少年課より数人が来校。BとCが家出しているらしい。
[4/28] Bを連れて警察署へ。そこに又、Cが連行されていた。
[4/29] 自転車泥棒Dとわかる。EがFから脅迫を受ける。
[5/10] ○○五千円盗難。怪しい者を呼び寄せて事情を聞くも判明する筈がない。
[5/12] 交通安全指導のため○○の岐れ道に立つ。○○にて窃盗を働いた二人を補導する。単車通生二人も補導。
[5/17] ○○地区補導委員会有り。
[5/18] ○○商業補導主任の○○氏来る。
[5/19] 第一寮生四人喫煙。G家出。
[5/20] H自転車窃盗の事少年課より電話有り。
[5/23] 昼休み中校内暴力事件あり。映画館にてF喫煙の報告有り。
[5/24] ○○部の暴力事件。
[5/25] ○○中学校にて補導委員会。
[5/28] 三限目数人さぼって帰るのを○○君の車で追い掛ける。二人隠れて姿見せず。
[6/2] I喫煙。自転車泥棒の件もあり、謹慎させる。
[6/4] Iの父親来る。
[6/8] ズボン盗難。持ち物検査で発見する。
[6/10] 単車通生補導。
[6/13] 汽車の中でJ、Kの両名が暴力事件を起こす。
[6/14] 西瓜泥棒。L、M、N家出。交通違反と次々に補導事件起こる。
[6/17] 市内補導巡察。課長自ら陣頭指揮。婦人児童委員の○○さんに随行。
[6/18] O説諭。
[6/24] Pの破廉恥事件親を召喚し面接するも、非常識な応答にへこたれる。
[6/27] 二年担任会。修学旅行の件。学習計画の件。補導の件、制裁の件について温厚派と強硬派の意見半々し激論を交わす。
[6/29] 補導委員会の懲戒基準を作り成立させる。
[6/30] 全員賛成だった筈なのに、Qの問題だけ、それに係わる教員から急に温情意見が出てきて覆される。一学期最終職員会議後補導部だ。
[7/2] ○○に行き、Rの家庭訪問。退学勧奨の線を担っていく。帰り単車に二人乗りで夜間徘徊していたSとTを捕らえる。保持していた自転車のチェーンを押収する。
[7/3] 教頭と二人でPを訪れる。本人は外泊。
[7/4] Sの母親来る。贈り物あるも受け取らず。
[7/5] Sの父親来る。
[7/6] Uの母親来る。
[7/7] 高校補導部会に出席する。
[7/10] ○○呉服店で三年女生徒の万引きの情報入る。
[7/13] ○○地区補導委員会に出席。
[7/14] V、○○退学生より暴行を受ける。
  ・
  ・
  ・


 先生って大変だ・・・・・


 この頃の生徒さんたちは、いま60代ですね。


 ちなみに、5/3にはこんなことを書いている(□□というのは母の名)。

□□の知り合いの娘で、△△高校に転入し、ちょっと着いていけないからとの理由で○○嬢が数学学習に来る。だが教えたことはすぐ活用の出来る優等生でそんなに苦労はしない。県立高校普通科の先生は楽なんだなと羨ましい。
父からのメッセージ | permalink
  

サイト内検索