TETRA'S MATH

数学と数学教育
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遠山啓著作集の、倉田令二朗の解説をのぞいてみる。

 遠山啓著作集<数学論シリーズ4>『現代数学への道』では、倉田令二朗が解説を書いています。いろいろと発展させて考えたいことが書いてあって面白いので、ちょっとのぞいてみることにします。まずは、この巻の組み立て自体をながめてみます。

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機仝渋綽学への招待1―集合と構造
      集合論の誕生
      集合数と濃度
      公理と構造

供仝渋綽学への招待2―群・環・体
      群と自己同型
      準同型と同型定理
      体と標数
      環と多元環

掘仝渋綽学への招待3―行列・行列式・グラスマン代数
      行列とはなにか
      交代数と行列式
      グラスマン代数

検仝渋綽学への招待4―トポロジー
      距離空間
      位相の導入
      位相空間と連続写像

后仝渋綽学への道1―集合と特性関数
      現代数学の生いたち
      集合とはなにか
      特性関数

此仝渋綽学への道2―構造と関係
      集合から構造へ
      直積と関係
      さまざまな関係
      半順序系と束

察仝渋綽学・ミニ用語集
      (省略)

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 これらの文章は、ミニ用語集をのぞいて、1962〜1966年に書かれたものです。

 さて、倉田令二朗の解説。まず倉田令二朗は、遠山啓が数学教育の“現代化”に関連して、一貫して現代数学の本質的特長についての考察と、現代数学の理念の普及・啓蒙に力を入れてきたと述べます。そして、数学教育現代化は1959年の数学教育協議会第7回大会においてはじめて打ち出されたこと、数学教育現代化の視点として次の3つの項目があげられたことを確認しています。

 (1) 認識の微視的発展―児童心理学
 (2) 認識の巨視的発展―科学史・数学史
 (3) 現代数学

 その後、文部省も“現代化”を口にするようになり、「アメリカ詣とSMSGかぶれが流行し」、なんだかんだあって、1968年に始まる指導要領改訂が“現代化”をスローガンとしてなされることが必至となり、しかも、諸文書で見たところかなりいかがわしいものになるだろうことが始めから予想されていたので、1966年に書かれた上記の后Ν詐呂蓮△修譴鬚犬紊Δ屬鶲媼韻靴峠颪れたものだ、と解説しています。

(つづく)
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