TETRA'S MATH

数学と数学教育
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小冊子『いま,遠山啓とは』について

 今年6月に、『いま,遠山啓とは』という小冊子が刊行されました。制作は数学教育協議会・遠山啓小冊子編集委員会です。

 この小冊子は非売品であり、部数も限られているため、特に宣伝・告知をしていないそうです(関係者に配られたほかは、数学教育協議会の全国研究大会やいくつかの会合で希望者に実費負担で配布されたときいています)。関係者ではない私が入手できたのは、長年、数学教育協議会の会員であった母のおかげであり、このブログのおかげなのでした。
 
 もともとは2009年10月10日に東京で行われた数学教育協議会主催の「遠山啓記念パーティ―生誕100年,没後30年―」の講演(明治大学:佐藤英二さん)と、そのときのいろいろな方々の発言を記録することを目的として企画されたようです。
 
 しかし、それ以外にも遠山啓について語ってある貴重な文章、たとえば森毅の遠山啓著作集書評や吉本隆明のあの文章、『数学セミナー』に掲載された小島寛之の文章などが納められており、当初の目的を超えた(私はパーティーには参加していませんが)非常に読み応えのある小冊子に仕上がっているかと思います。
 
 内容は次のようになっています。

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■小林道正「『いま,遠山啓とは』によせて」

■第1章 その仕事をふりかえる

 森 毅「いま遠山啓とは」
 上野健爾「遠山啓に学ぶ」
 黒木哲徳「遠山啓先生から学んだこと」
 江沢 洋「量の理論について」
 「エッセイ撰集・遠山啓の主張(1)」(小沢健一・編)
  
■第2章 数学教育改革運動のなかで

 銀林 浩「いま語る,遠山啓と戦後数学教育運動」
 小島寛之「遠山啓氏の思想から見えるもの」
 佐藤英二「遠山啓先生の数学教育思想」
 上垣 渉「遠山啓没後30年の数学教育と数教協」
 「エッセイ撰集・遠山啓の主張(2)」(小沢健一・編)

■第3章 そのひとを語る

 森 毅「異説 遠山啓伝」
 吉本隆明「混沌たる敗戦のあとで」
 奥野健男「文学の師,遠山啓」
 「エッセイ撰集・遠山啓の主張(3)」(小沢健一・編)

■第4章 教育運動の源泉に向かう

 鶴見俊輔「遠山啓の思い出」
 榊 忠男「『見える学校』と『見えない学校』」
 江藤邦彦「遠山先生と『ひと塾』の思い出」
 小島靖子「遠山先生と障害児教育」
 遠山啓「私の教育観」

■第5章 「遠山啓」を読む

 岩澤健吉「遠山啓教授の数学的業績」
 亀井哲治郎「『数学セミナー』と遠山啓」
 小池正夫「名著発掘『数学入門』書評」
 遠山啓「『数学入門』はしがき」
 山本義隆・上野健爾・吉田洋一・柴田望洋 『数学入門』短評
 粟津 潔「遠山啓さんは亀さま―『水源をめざして』装丁裏話.」
 遠山 啓「『無限と連続』はしがき」
 大岡昇平・杉原厚吉・杉浦光夫「『無限と連続』書評(1)(2)(3)」

■遠山啓 著書目録

■編集後記

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 このような非売品の刊行物についてブログでご紹介することに若干の躊躇はありましたが、編集委員の方にうかがったところまだ残部があるとのことで、希望者には実費と送料の負担で配布可能というお話でしたので、関係者の枠を超えて是非この冊子のことをお伝えしたく、ご案内のエントリを書くことにしたしだいです。

 ご希望の方は、数学教育協議会の事務局まで問い合わせてみてください。数協教事務局の連絡先は、数学教育協議会事務局連絡先に掲載されています。広く広告していない小冊子なので、「TETRA'S MATH」を見たと書き添えていただくと話が早いかと思います。なお、ブログでの案内掲載については、編集委員の方々に許可をいただいております。問い合わせ先がよくわからない場合や、万が一話がうまくつながらない場合には、tamamiまでご連絡いただければ幸いです。
 
 内容については後日もう少し詳しく触れることにして、ひとまずきょうはご案内まで。
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