TETRA'S MATH

数学と数学教育
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いまいちど、野矢茂樹『無限論の教室』

 あとがきが引用したくて図書館から借りてきた野矢茂樹『無限論の教室』。読みやすいこともあって、けっこうぱらぱらと読んでしまいました。いや、読んで“しまった”ということもないし、ナナメ読みのとばし読みなのですが・・・(^^; 面白かったです。

 これを1998年ではなく、今読んでよかったと思います。あのとき図書館で背表紙に呼ばれた意味が少しわかったような気がしました。ひとことでいえば「(実無限派に対する)可能無限派」の話()。と言っていいでしょうか。しかし、私がいまさら言うまでもなく、当時はけっこう話題になったのでしょうね。Amazonのレビューも多いし。

 登場人物であるタジマ先生が可能無限派なわけですが、つまりは、野矢茂樹さんが可能無限派ということなのだろうと想像しています。ちなみに、タジマ先生についてはモデルがいらっしゃるようで、その方を教師にして話を書いてみよう、というところから始まり、あとはタジマ先生なるキャラクターがかってに書いてくれたようなもの、とあとがきに書いてありました。確かにそんな感じがします。

 野矢先生と文通めいたやりとりをした池田くんは、タジマ先生・・・というか、野矢先生が、「カントールの対角線論法はまちがっている」とか、「√2は数ではない」とか、「実数の集合などは存在しない」なんてことをいうので、つっかかってきたようです。そんな野矢先生は孤軍奮闘しているつもりはなく、精神的な背骨はウィトゲンシュタインなのだとか。

 それにしても、あの「“答え”が入れ子の文通」の話を読んだときに、ぐわ〜っと広がったイメージがなんだったのか、結局、自分でもよくわからないままです。中心に向かう螺旋と、「やぎさんゆうびん」のことは書けましたが。だいたいそんなとこだったのかな? 無限と無関係ではないでしょうが、2人のやりとりでしかも「答え」が入れ子状というのがなんだか面白かったのです。普通の(?)自己言及、入れ子構造と違って、2人(2つ)だから。

 Amazonのレビューもいくつか読んでみました。読み方って人によっていろいろなんだなぁ、としみじみ思うことであり。面白くても面白くなくても、感想を書きたい人は書きたいものであり、人に伝えたいものであり。

 私はこのテイスト、嫌いじゃないです。タジマ先生のキャラも。

 「くくっ」とか「ふふふ」となったところをいくつか拾い出してみようかと思ったのですが(ほとんど数学的内容とは無関係の話)、このエントリを読んでおられる方が、これから『無限論の教室』を読まれることがあるかもしれないので、ネタバレしないように、何も書かずにいることにしました。(^^)

 結局、私も可能無限派なのかな。(9:1くらいで)

 0.9999999・・・=1ではないということをきいたときのこのホッとする感じはなんだろう?

 0.9999999・・・=1ではないことにほっとするというか、0.9999999・・・は1であると考えることもできるし、1ではないと考えることもできる、ということにホッとするのかもなぁ〜 
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