TETRA'S MATH

数学と数学教育
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因果集合は、順序集合

 というわけで、非常にヤワな(!?)例で恐縮でございますが、以下のような因果集合を考えてみました(なお、実話ではございません、はい^^;)。題して、「財布と桜」。(桜については→


(なぜかうちの娘、大喜びたらーっ

 これから先いろいろ考えていくときに不都合が生じる部分もあるかもしれませんが(なんていっていたらいきなり要訂正な状況)、そのときはそのときで考えていきたいと思います。この図を作りながら(そして微調整しながら)思ったことは、出来事の主語が難しいというか、基本的に主語はないのだな、ということです。

 さて、これら1つ1つの出来事を要素とする因果集合を考えます。矢印で結ばれた出来事は因果的に関係があるといい、根元が原因、先が結果になっています。つまり、因果集合というのは、因果関係という構造の入った出来事の集合のことです。 
 さて、この集合の任意の出来事をa、b、cとすると、まずは推移律が満たされることがわかります。

     a→b かつ b→c ならば a→c (推移律)

 たとえば、「Aさんは財布を落とし」「財布を落としたことに気づいて」「いま来た道をもどる」わけですが、「財布を落としたことに気づく」というプロセスを省いたとしても、財布を落としたことは、Aさんがいま来た道をもどる原因になっています。

 次に、因果集合では、因果関係に循環が許されていないことについて考えます。つまり、ある出来事がある出来事の原因でもあり、かつ、逆に結果でもある場合、それはある出来事そのものだと考えることにします。そう決めるわけです。となると、反対称律が成り立ちます。

     a→b かつ b→a ならば a=b (反対称律)

 また、出来事が自分自身に等しいといった自己同一性も許すことにします。自分自身に等しいといえばa=aですが、ここではこれを直接認めるかわりに、

     a→a (反射律)

を認めることにします(反対称律を適用すれば、a=aが得られる)。

 というわけで、任意の要素a、b、cに対して推移律、反対称律、反射律が成り立ち、この集合は順序集合になります。

 私にとってはとてもナチュラルな展開なのですが、このあたりからだんだん不快に思う人は不快に思うのでしょうか… 数学が好きな人は好きな人なりに、数学が嫌いな人は嫌いな人なりに… (まだここは大丈夫かな?)

 さて、上記のような図で示される因果集合は、超越者の見た時空です。出来事の中で絡むことのない(因果関係をもたない)二者のことを超越者は知っているから。私の例では登場人物全員がからんでいますが、ここに、スズメとおいかけっこをするヒヨドリを加えることも可能です。その場合、ヒヨドリはAさんやBさんとからみませんが、超越者はヒヨドリもAさんも知っています。
しかし超越者ではなく、因果的連鎖の内部にいて出来事を体験し、因果関係をその都度体験する者---これを本稿では内的限定観測者と呼ぼう---にとって、ある出来事はまったく無関係であり、またある出来事はすでに関係を有し、さらに別の出来事は、大分先になって関係をもつといった体裁をとることになる。
 「財布と桜」の例でいえば、Bさんは自宅に向かう途中でAさんの財布を拾うことで初めてAさんと関係をもちますが、それはつまり、Aさんが買い物に出かけたことや、Aさんが財布を落としたこととの因果関係をそこで取得したということになります。
マルコポーロは、このように、内的限定観測者がどれだけ先にある出来事と因果関係をもつことになるのか、はたまたもち得ないのか、などの、ある種の期待値こそ、内的限定観測者の時間である、と唱える。この期待値のような時間をうまく定義するため、まず過去や未来を定義するのである。
 こういうこと考えている物理学者もいるのですねぇ〜! 知らんかった。

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 このブログのアクセス数がほんの少し増えていると思ったら、アクチュアリーというお仕事・02の訪問数がのびているようです。確かこのエントリ、前にもアクセス数が増えたことがあるような… 過去問のリンクがあるからかな?

 でもなんか、こういう話のときにあのエントリがのびるというのも、ちょっと面白い(^^)。
郡司ぺギオ-幸夫『時間の正体 デジャブ・因果論・量子論』 | permalink
  

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