ある関数の加法保存性を確かめるプロセス
銀林浩『量の世界・構造主義的分析』の第4章を読んでいます。
さて、ある関数fが加法保存性 f(x+x´)=f(x)+f(x´)……(1)をみたすことをどうやって確かめればいいのでしょうか?
ガソリン消費量と走行距離の場合、手始めに、1缶のガソリンで走る距離と2缶のガソリンで走る距離がどうなるかを調べてみるとよさそうです。つまり、同じ状態を2つ重ね合わせたらどうなるか?と考えるわけで、これが成り立てば、
f(x+x)=f(x)+f(x)
が確かめられます。しかし、これではほんの特殊な場合が確かめられたにすぎないので、もう1つ原因を重ねてみます。つまり、ガソリンの例でいえばもう1缶使って走らせることになります。さらに、4缶、5缶、……になったときに、どうなるか。
つまり、xを任意の入力、nを任意の自然数とするとき、
f(x×n)=f(x)×n ……(2)
が成り立つかどうかを調べるわけですが、これはすなわち、xが2倍、3倍、4倍、……になったとき、それにともなってyが2倍、3倍、4倍、……になるかどうかという話です。
さらに、(2)でx×n=yとおくと、x=y/nなので、

となります。すなわち、入力yが1/2、1/3、……になれば、出力f(y)も1/2、1/3、……となるというわけです。
上の条件と(2)を組み合わせると、任意の有理数n/mについて、

が成り立ちます。n/mを改めてrに書き直すと、
f(x・r)=f(x)・r
となります。
さらに、fが連続であるという条件が加わるとどうなるか。
さて、ある関数fが加法保存性 f(x+x´)=f(x)+f(x´)……(1)をみたすことをどうやって確かめればいいのでしょうか?
ガソリン消費量と走行距離の場合、手始めに、1缶のガソリンで走る距離と2缶のガソリンで走る距離がどうなるかを調べてみるとよさそうです。つまり、同じ状態を2つ重ね合わせたらどうなるか?と考えるわけで、これが成り立てば、
f(x+x)=f(x)+f(x)
が確かめられます。しかし、これではほんの特殊な場合が確かめられたにすぎないので、もう1つ原因を重ねてみます。つまり、ガソリンの例でいえばもう1缶使って走らせることになります。さらに、4缶、5缶、……になったときに、どうなるか。
つまり、xを任意の入力、nを任意の自然数とするとき、
f(x×n)=f(x)×n ……(2)
が成り立つかどうかを調べるわけですが、これはすなわち、xが2倍、3倍、4倍、……になったとき、それにともなってyが2倍、3倍、4倍、……になるかどうかという話です。
さらに、(2)でx×n=yとおくと、x=y/nなので、

となります。すなわち、入力yが1/2、1/3、……になれば、出力f(y)も1/2、1/3、……となるというわけです。
上の条件と(2)を組み合わせると、任意の有理数n/mについて、

が成り立ちます。n/mを改めてrに書き直すと、
f(x・r)=f(x)・r
となります。
さらに、fが連続であるという条件が加わるとどうなるか。
任意の実数αを有理数rnで、

のように近似してやることで、

が成り立ちます。
αは任意の実数だからこれを改めて変量xとおき、もとのxをx=1(単位)とおくと、
f(1・x)=f(1)・x
となります。ここで、
a=f(1)
は、単位1に対するfの値で、これによって、
f(x)=ax
と式が決まります。
つまり、関数fは式の形の上では斉次1次関数(f(x)=ax+bでb=0の場合)であり、任意のx、x´に対して、

となり、加法保存性(1)が成り立つ、というわけです。
* * *
以上は、銀林浩『量の世界・構造主義的分析』p139〜142のおおよその内容です。
ちなみに、現在の小学校、中学校での比例の定義がどうなっているかというと、小学校では「ともなって変わる2つの数量があり、一方が2倍、3倍、……となると、他方も2倍、3倍、……になる」ことや「ともなって変わる2つの数量があり、対応する値の比がつねに一定である」ことを確かめさせて、それを比例の定義としていると思います(たぶん定義としては前者じゃないかと思うけれど詳細未確認)。また、中学校ではyをxの式で表したときに y=ax となることを比例の定義にして、2倍、3倍、…は正比例の性質のような扱い方をしていると思います(最新の詳細は未確認)。
なお、小学校での比例・反比例の扱いは学習指導要領によって内容が異なっており、いったん消えた「比例の式」が、23年度完全実施の新指導要領では復活するようです(*)。

のように近似してやることで、

が成り立ちます。
αは任意の実数だからこれを改めて変量xとおき、もとのxをx=1(単位)とおくと、
f(1・x)=f(1)・x
となります。ここで、
a=f(1)
は、単位1に対するfの値で、これによって、
f(x)=ax
と式が決まります。
つまり、関数fは式の形の上では斉次1次関数(f(x)=ax+bでb=0の場合)であり、任意のx、x´に対して、

となり、加法保存性(1)が成り立つ、というわけです。
* * *
以上は、銀林浩『量の世界・構造主義的分析』p139〜142のおおよその内容です。
ちなみに、現在の小学校、中学校での比例の定義がどうなっているかというと、小学校では「ともなって変わる2つの数量があり、一方が2倍、3倍、……となると、他方も2倍、3倍、……になる」ことや「ともなって変わる2つの数量があり、対応する値の比がつねに一定である」ことを確かめさせて、それを比例の定義としていると思います(たぶん定義としては前者じゃないかと思うけれど詳細未確認)。また、中学校ではyをxの式で表したときに y=ax となることを比例の定義にして、2倍、3倍、…は正比例の性質のような扱い方をしていると思います(最新の詳細は未確認)。
なお、小学校での比例・反比例の扱いは学習指導要領によって内容が異なっており、いったん消えた「比例の式」が、23年度完全実施の新指導要領では復活するようです(*)。