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鳴川肇「オーサグラフ」/ICCで感じたこと

 ICCに行く前に、ある程度「オーサグラフ」のことは調べてありました。と言っても、ICCの該当ページと検索で見つけたwebページの感想をいくつか読んだということであり、「オーサグラフ」詳しい説明は知らないままでした。地表を三角形に分割するというのはどこかで読んでいましたが、この段階では小さな正三角形に分割しているのかと思っていました。また、世界地図の中にあるつなぎめ(折れ線)から、それがテトラ型になることは懐かしさとともに認識できましたし、こりゃヒトゴトじゃないぞ!という予感はしていました。

 そしていざICCへ。
 オープンスペースでは「ミッションG:地球を知覚せよ!」というテーマのもと、13の作品が展示されており(>訂正)、そのうちの1つが鳴川肇さんの「オーサグラフ」です。受付で簡単な3つ折のパンフレットを受け取り、それを見ながらまわっていきました。

 しかし、娘と一緒だったので、すべてをじっくりまわることはできませんでした。娘が興味を示したのはただ1つの展示だけだったので。娘がその1つに興味をもったのはなぜかということを含め、私も久しぶりにICCを訪れて、いろいろ思うことがありましたので、そのあたりについては後日書きたいと思っています。

 さて、「オーサグラフ」のエリアでは、透明な球(一部)の中に、曲面をもつ正四面体が内接している立体が展示されていました。よく見ると細長い三角形を確認することができます。平面で構成されているように見えたと書きましたが、実は正確に言うとそれも違っていて、かといって曲面をもつ正四面体にも見えず、正四面体そのものでもないし、正四面体を基調としながらも形容しがたい形をしているように感じられました。あの形を言葉でなんと表現すればいいのだろう?と考えたとき、「正四面体の各面が、なだらかな凸型になっている立体」という言葉しか思い浮かばず、細長い三角形が平面のように感じられたので、「凸型多面体」という表現をとってしまったわけなのです。

 また、壁面には、「オーサグラフ」による世界地図のほか、地球をまわっているISS(国際宇宙ステーション)の軌跡を1本の線でリアルタイムに描いていく展示がありました。

 最初私が思ったのは、「オーサグラフの原理についてもう少し説明がほしい」ということでした。説明が足りない、と。

 しかし、別の展示を見てもう一度もどってきたりして、2〜3度眺めるうちに、次のようなことを感じとれるようになった気がしました。

 まず、地図そのものについて。

 オーサグラフの仕組みは知っていたので、脱中心的な世界の見方ができることはわかっていたのですが、ICCの該当ページの地図は色分けもされており、ふだん見る地図とは“少しだけ”違うもの、という印象があったのです。

 ところが、視点をぐんと変え、そして色を消し、連続させていくと、図形として別のものに見えてくるのです。たとえば、大西洋を中心とした世界地図や南北を逆さにした世界地図などを見たとしても、おそらく私は「ふだん見慣れている太平洋を中央に配したメルカトル図法の世界地図」または「地球儀で見慣れた北が上の世界」をもとにして、それを組み替えて認識するのではないかと思ったのです。だから、たとえば南が上の日本地図を見たときには、「日本が逆さまになっている」と感じるだろうな、と。

 しかし、オーサグラフの場合、それが別のものに見えてくる感覚になるのです。世界地図が、地形がいったんほどける。それは、繰り返しの妙からくるものかもしれません。

 さらに、ISSの軌跡をながめながら、ふと、次のようなことを思いました。

 ある地点から、別の地点を通ってもとの地点にもどってきたとき、そのもどってきた地点は出発した地点と同じ地点であるのか?、と。

 たとえば、東京から太平洋をわたってブエノスアイレスを通って大西洋をわたってぐるりと東京にもどってきた場合、地球を1周しているということは地球儀を使ったほうがわかりやすいです。「1周してもとにもどってきたね」と。

 しかし、出発した「東京」と、到着した「東京」は、果たして同じ「東京」であるか?

 一般的に考えるならば、3次元のほうが2次元より「次元が上」であり、情報は多いはず。しかし、3次元から2次元に落とし連続させたことで、そこに時間の情報を取り入れることができる。

 こんな“世界”があったなんて…!

 気になるのは、「球面→曲面のある正四面体の表面→正四面体の表面」という2段階の「写像」でどのような方法をとったのかということとですが、それを考える前に、まだまだ感じ取りたいことがあるように思いました。

(つづく)
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