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数学と数学教育
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辻下徹「生命と複雑系」の組み立て

 『複雑系の科学と現代思想−数学』(高橋陽一郎・辻下徹・山口昌哉著/青土社/1998)の中から、辻下徹「生命と複雑系」をみていきたいと思います。

 辻下徹「生命と複雑系」は、次のような構成になっています。

第吃堯(雑系
  1 「複雑系とは/複雑系私的序説」
    1−1  間近い複雑系科学の誕生
    1−2  意味世界の多重秩序
    1−3  多重記述系を要する複雑系
    1−4  人間の一記述系としての脳
    1−5  複雑系認識の「適切さ」
    1−6  自然言語
    1−7  複雑系科学における数学の使命

  2 自己創出系としての複雑系記述
    2−1  複雑系記述の基底概念
    2−2  相互作用(プロセス)論の基本的様相
    2−3  相互作用に基づく複雑系論:自己創出系の吟味
    2−4  相互作用のきっかけ
    2−5  統一体
    2−6  演繹的有向ハイパーグラフ

第局堯\弧
  3 形式世界とその外
    3−1  形式世界とは
    3−2  形式世界の外への契機
    3−3  複雑系研究と生命理解
  4 内部観測:形式世界の外に立つ観測
    4−1  「内部観測」とは
    4−2  内部観測としての研究
    4−3  複雑と錯綜
    4−4  いまある創発性
    4−5  形式世界の利用:隠喩から契機へ
    4−6  郡司の数理モデルの要点
    4−7  チュー空間による内部観測の描写
    4−8  結び

 クリプキのプラス・クワスは、「3−2 形式世界の外への契機」で出てきます。

 「3−2 形式世界の外への契機」をさらに詳しくみていくと、次のような組み立てになっています。

   [3−2−1  形式世界のもつパラドクス]
    ラッセルのパラドクス
    カントールの無限
    ゲーデルの数学観
    実在論のパラドクス

   [3−2−2  プラス・クワスの懐疑論]
    「暗黙の了解」の崩壊 
    「以下同様」
    理論的可能性と実際的可能性
    二つの無限

   [3−2−3  プラス・クワス議論の意義]
    言語の局所性と規範性
    不定性をもつ言葉の有効性
    推移律としての「以下同様に」

   [3−2−4  ウィトゲンシュタインによる「解決」]

   [3−2−5  「複雑システム」と高次元圏論]

   [3−2−6  内的集合論] 


 久しぶりに読むと、以前よりだいぶ読みやすいです。そして面白いです。


(つづく)
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