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数学と数学教育
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直観主義論理を表すハッセ図・1

 直観主義論理の雰囲気がわかってきたところで、再び山下正男『論理学史』にもどります(ちなみに直観主義について語られているのはほんの数ページです)。

 『論理学史』では古典論理と同様に直観主義論理もハッセ図に乗せられると書いてあるのですが、まずその形だけを示すと、次のようになっています。

 

 疑問その1。これは一例なのだろうか? それとも必ずこの形になるのだろうか?

 古典論理のときと違って、直観主義論理の場合はベン図で考えることができません。何しろ排中律がないので、輪の中と輪の外が世界のすべて、と考えられない。そこでどう説明してあるかというと、整数の整除関係をもとに話が進んでいくのです。

 はじめに、古典論理と同じハッセ図に数字が書き込まれた図が登場します。



 なぜこれらの数字なのかの説明はありませんが、古典論理では4つの領域の集合をもとにハッセ図を考えてきたので、同じ形に数字を乗せるために、2、3、5、7の4つの素因数をもつ210の約数が選ばれたのだと推測しています。

 さて、上の図において、整除関係にない2数(たとえば6と10)の上方の交点のうち最も近いものは2数の最小公倍数30であり、下方の交点のうち最も近いものは2数の最大公約数2になっています。つまり、最小公倍数−選言(∨)、最大公約数−連言(∧)、線の上下の関係−整除−含意(→)という対応関係があります。

だとすると否定関係も,またその数的対応物を見つけだせるのであって,図で見てもわかるように,p∨ ̄p=Tは,6×35=210に対応し,一般に否定関係にある要素どうしは掛けあわすとすべて210になるということがわかる。
 ここでいう「図で見てもわかるように」というのは、「図の中で点対称の位置にあるから」という意味なのか、それとも別の意味なのか、いまひとつわからないのでした。ここがわからないから、次がわからなくなるんだろうな。

 それはともかく、上の図に次の図の青い部分を付け加えると、古典論理のハッセ図から直観主義論理のハッセ図に変身するらしいのです。



 210の意味まではわかりましたが、新たに加わった12、60、84、420の意味がわかりません。もとのハッセ図からのびている線の根元の数字をそれぞれ2倍した数になっているようです。2倍にしたのは一例で、ここは3倍でも5倍でもよかったのだろうか? そして、加えるのは4つの数字じゃないとダメなのか? 420だけではだめ? 420と84ではだめ? あるいは、420と140では? などなど、疑問はつきないのでした。

(つづく)
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