TETRA'S MATH

数学と数学教育

亀井先生のハンドボールコート作成方法がサッカーボールコートに発展!

 このブログでカテゴリーまでつくらせていただいている亀井喜久男先生から、次なるレポートが届きました! ハンドボールコート作成方法が、サッカーボールコートに発展したとのこと。

 そうですよね〜! ハンドボールコートが描けるのだから、サッカーボールコートに応用しない手はないですよね。サッカー部員の生徒さんから相談があって、このたび新しい作成方法が発案されたようです。

 一般的にこういう運動場での大きなコートはどうやって描いているのでしょうか?

 亀井先生の学校のサッカー部では、30m、40m、50mで直角を作って延長というのが基本方法だったそうです。人によっては3m、4m、5mを使っていたのだとか。つまり、直角を作ったあと延長しなくちゃいけないわけですが、実際にやったことがない私が頭の中で考えても「かなりずれるだろうなぁ」と想像できます。

 実際、サッカー部員の生徒さんの話によると、タッチラインに数メートルに近いずれがあったとのこと。数メートルってけっこうな長さですよね。そういう状態だったのを公式戦にふさわしい正しいコートにしたいということで、亀井先生に相談がもちかけられ、新しい作成方式が誕生したという経緯のようです。

 まず、サッカーボールコートの各種ラインについては、こちらの説明をお借りします。↓
 http://saiwaifc.rdy.jp/KNOW/Knowled.php?MENUNO=3&CONTENTS=rules/rules1.html
 
 コートのサイズには幅があるようですが、上記サイトの"ワンポイント”によると、ワールド・カップ、オリンピック、日本国内での国際試合、国民体育大会などの全国規模の大会では105m、68mのフィールドを使用するとのこと。というわけで、このたびご紹介するのも全体の長方形の辺の長さが105mと68mのコートの作成方法です。巨大な長方形ですね〜!

 使うのはやはり3:4:5の直角三角形ですが、68という数値を直接使うため、51m、68m、85mの三角形を活用しているそう。なるほど! 68mが4の倍数でよかったよかった(^_^) 120mの巻尺1本と、100m巻尺2本あれば速やかに作業は進むというお話でした。(が、120mの巻尺はけっこうお高いという噂も…!?)

 では、私が自分で描き起こした図をもとにご紹介していきます。おおよその内容は亀井先生に確認していただいておりますが、細かいところで勘違いが発生しているかもしれないので、わかったときにはそのつど訂正していきます。

 まずは、105mのタッチラインを1本ひきます。そして、0mのポイントから68mの半径で円を描き、51mの地点を中心にして85mの半径で円を描けば、2つの円の交点が片方のゴールラインをひくためのポイントになります……というふうに、つい、中学校数学の「作図」の感覚で書いてしまうのですが、運動場で巻尺を使ってポイントを見つけるときには、円を描くのではなく、2つの巻尺の該当する目盛りをきちんとあわせ、元の0の点もしっかりと押さえたうえで、巻尺をピンとしっかり張って見つけているそうです。そちらのほうが現実的だし、余計な線が残らなくてよさそうですね。

 一応ここでは、作図の意味がわかるよう、コンパスのあとを残すような形で図を示します。


 


 次に、タッチラインの52.5mの地点(タッチラインの中点)を中心として半径68mの円を描き、103.5m(=52.5m+51m)の地点を中心として半径85mの円を描くと、ハーフウェーラインをひくことができます。

 


 そして、タッチラインの54m(=105m−51m)の地点を中心に半径85mの円を描き、105mの円を中心に68mの円を描くと、その交点を結ぶことで、もう一方のゴールラインをひくことができます。


 


 大枠ができたら、そのほかさまざまなラインをひいていくそうです。

 以前の方法だと2m近くあったずれが、この方法では2cmですんだと報告があったのだとか。あまりうまくいきすぎていることに亀井先生は最初おどろかれて、にわかには信じられない感じだったようですが、生徒さんたちがそれだけ1つ1つしっかり作業を行っていったということなのでしょう。

 なお、このコート作成方式は、サッカー部顧問の5名の先生方の賛同も得られて、「サッカーコート富田学園方式」と命名されているそうです。略称「68方式」。(どんだけ大きいサッカー部だ!?…と思いきや、富田学園というのは学校の名前ではなく、学校法人の名前なのですね。この学園に属する学校のサッカー部が4つあるそうです。)

 そのうち動画が発表されるようなので、発表されたらまたご紹介します〜!



 というような内容でブログでご紹介させていただく予定であることを亀井先生にメールでお伝えしたところ、完成版ができる前のリハーサル風景を You Tube にアップしてくださいました。↓
https://www.youtube.com/watch?v=FoQZtqpB1lY

(ハーフウェーラインをひく作業は含まれていないようですね)

 完成版が公開されたら削除されるそうですが、個人的には、リハーサルならではのリアルな雰囲気が味わい深く、楽しく拝見しました。(^_^)

 ではでは、本番の動画ができたら、また紹介させていただきま〜す!!

[2015年1月29日追記]
リハーサル風景その2が投稿されたようです↓
https://www.youtube.com/watch?v=cDOveIKCKXc
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ピタゴラス数の行列は、まだまだいろいろ遊べそうですよ〜!(まとめ)

 亀井喜久男先生の『フェルマー系列整数辺直角三角形及びハンドボールコート作成新方式の提案』を読みながら、そこからちょっとだけ発展させて考えたことを書いてきました。

啓林館 高校数学 教育情報誌 Focus Gold 通信 Vol.6 http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/ tea/kou/sugaku/focus_gold/pdf/vol006.pdf

 亀井先生は、(3,4,5)から出発して3つの行列を次々とかけるときに、原始ピタゴラス三角形が次々に生成され、先頭が奇数で後尾が斜辺であるどの原始ピタゴラス三角形も、必ず(3,4,5)からたどっていけることを証明して、とある整数論の先生に届けたのだそうです。そうしたところ、類似の研究がアメリカにあるようだという話をきき、ショックを受けられたのだとか。しかし、自分自身の力で「3進樹の節点にピタゴラス原始三角形が生成すること」にたどり着いたことに満足した、とも書いておられます。また、フェルマー系列については漸化式も込みで数学検定協会の数学検定4段の問題になったそうです。

 このあとは、例のハンドボールコート作成の話になっていきます。(20,21,29)という直角三角形がこんなところで役に立つなんて!と感動したことについてはすでに書きましたが、ハンドボールコートを正方形2つが並んだものと考えると、正方形の1辺が20mであるため20mから始められることと、直角をなすもう1辺が20mよりちょっと長いくらいが都合がよいことを考えると、まさにこの直角三角形はうってつけ!と思ったわけなのです。個人的には和が70mになるのも気持ちいい。

 なお、亀井先生がこの発見をされたのは20年も前のことらしいのですが、私はこのたび初めて知りました(いや、そういう概念は山ほどあるでしょうが…^^;)。現在、「ピタゴラス数 行列」で検索をかけると、いろいろなページがひっかかってきます。

k-ピタゴラス数の代数と幾何学
http://www.tsuyama-ct.ac.jp/matsuda/mathclub/K-pita.pdf

複素ピタゴラス数の構造について
http://www.tsuyama-ct.ac.jp/matsuda/mathclub/tavhibana_2012.pdf

ピタゴラスの数を生む行列
http://www.hamadajuku.com/column/math/pythagoras.aspx

ピタゴラス数とロバート行列
http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~851051/student08/08narita.pdf

Pythagorean Triple
http://mathworld.wolfram.com/PythagoreanTriple.html

Tree of primitive Pythagorean triples(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Tree_of_primitive_Pythagorean_triples

 亀井先生のお話だと、整数論の先生がおっしゃっていた研究はHall氏(1970年)だと思うとのことですが、ウィキペディアを見ると、もっと古い関連研究もありそうな感じですね。なお、5年ほど前に(国内で)書籍も出ているようです。

 それほど複雑な計算を必要とせず、自分であれこれ試してみることができる楽しい題材だと思います。今回私はほんの入り口でしか遊びませんでしたが、さらに発展させていくと面白いかも! たとえもうほかの人が“発見済み”でも、それを自分でたどることはやっぱり楽しいし、感動する。それこそが“発見”なのかも!
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ピタゴラス数の系列で、行列による操作が何を起こしているのか文字式で確かめる。

 亀井喜久男先生の『フェルマー系列整数辺直角三角形及びハンドボールコート作成新方式の提案』を読んでいます。

啓林館 高校数学 教育情報誌 Focus Gold 通信 Vol.6
http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/ tea/kou/sugaku/focus_gold/pdf/vol006.pdf

 きょうは、亀井先生の授業実践記録からはなれて、自分で考えたことを書いてみたいと思います。



 整数辺直角三角形の3辺の長さの組のうち、ピタゴラスの系列(直角をはさむ長いほうの辺と斜辺の差が1)も、プラトンの系列(直角をはさむ1辺と斜辺の差が2)も、フェルマーの系列(直角をはさむ2辺の差が1)も、とても似ている行列で生成していくことができることがわかりました。その行列とは、対角要素が1と1と3になっていて、あとの要素が全部2であるような行列です。ちがっているのは符号のみ。

 どうしてこういうことが起こるのかを、文字式で考えてみることにします。縦ベクトル(a,b,c)が「ある操作」にあたる行列によって(A,B,C)になるときに、A、B、Cのそれぞれをa、b、cを用いて次のような式で表すことができます。



 よって、A^2+B^2 と C^2 はどうなるかというと、



となります。a^2+b^2=c^2より、いつでもA^2+B^2=C^2が成り立つことがわかります。ということは、系列によらず、最初の縦ベクトルの数値の組がピタゴラス数になっていさえすれば、この行列から新たなピタゴラス数を作ることができるはずです。

     

 となると、ピタゴラス数の一覧が見たくなってくるというもの。検索したら、高校の天文研究部がこんなページを作ってくれているのを発見!サンキュー!↓
http://www.hyogo-c.ed.jp/~meihoku-hs/club/astronomy-py.html

 最初の30組をみていくと、ピタゴラス、プラトン、フェルマーのどの系列にも属していない組み合わせが14個あります。そのどの組み合わせについても、上記の行列を使えば、新たなピタゴラス数を導いてくれるはずですよね。

     

 これまで、3辺のうちの2辺の差で系列を考えていたので、もしかすると上のほうは直角をはさむ2辺の差が17の系列かもしれないし、下のほうは直角をはさむ2辺の差が23の系列かもしれない、と予測をたてることができます。

 同様に、フェルマー系列のなかの1組に、ピタゴラス系列の行列で操作を加えても、やっぱりピタゴラス数が出てきます(その系列には属さないものだけれど)。

 思えば、最初のほうで示したA、B、Cの式で、1列めまたは2列めだけにマイナスがつくと、影響を受けるのはaまたはbを1つだけ含む積の符号だけなので、A^2+B^2=C^2に影響はなさそうですね。あとは辺の長さの差の問題であり。

 で、フェルマーの系列の行列に関しては、B−A=a−bもいえるので、(3,4,5)から(21,20,29)、(21,20,29)から(119,120,169)というふうに、直角をはさむ2辺の長さの大小関係が交互になっていくというのも納得です。ということは、直角をはさむ2辺の長さの差が同じであるような系列のピタゴラス数を作ってくれる行列と考えてよさそうですね。

 また、ピタゴラスの系列の行列の場合、C−A=c−aとなり、プラトンの系列の場合、C−B=c−bとなるので、直角をはさむ1辺と斜辺の差を一定とした系列を見つけられそうです。

(つづく)
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ピタゴラスの系列と、プラトンの系列を生成する行列

 亀井喜久男先生の『フェルマー系列整数辺直角三角形及びハンドボールコート作成新方式の提案』を読んでいます。

啓林館 高校数学 教育情報誌 Focus Gold 通信 Vol.6
http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/ tea/kou/sugaku/focus_gold/pdf/vol006.pdf



 というわけで、整数辺直角三角形の3辺の長さの組のうち、ピタゴラスの系列(直角をはさむ長いほうの辺と斜辺の差が1)とプラトンの系列(直角をはさむ1辺と斜辺の差が2)についても、行列を見つけられないか考えてみます。

 ピタゴラスの系列については、次のような式を考えることになります。
 

 まんなかの行列の逆行列を求めると・・・
 

 これを最初の式の右からかけると・・・
 

 プラトンの系列についても同様に考えていきます。
 

 まんなかの行列の逆行列を求めると・・・
 

 これを1つ上の式の右からかけると・・・
 

 いずれも行列のなかの数値は1、2、3だけで、シンプルな形をしています。なんだかフェルマーの系列の行列と雰囲気が同じだぞ。

 で。

 フェルマーの系列で求めた行列の1行目と2行目を入れかえてみると・・・
 

 な〜んと! 数値の並びはまったく同じで、符号だけがちがうという状況になってしまうのです。つまり、絶対値だけに注目すると、対角成分が1と1と3で、あとは2という数の並びをしている。なんでこんなことが起こるんだ!?

 しかも、フェルマーの系列で1行めと2行めを入れかえちゃったから、縦ベクトル(4,3,5)から始めなくちゃいけないかというと、そんなことはなくて、(3,4,5)から(21,20,29)を作ってくれるし、(21,20,29)から(119,120,169)を作ってくれるのです。うーん、すごい。

 こういう事態になると、亀井先生の授業記録からははずれますが、3列めだけが負の数である行列も考えたくなるというもの。試しにやってみたら、こちらは(3,4,5)から(1,0,−1)が出ちゃいました。直角三角形にはならないけど、一応 a^2+b^2=c^2 はたもたれていますね。そのあとは(3,4,5)にもどるので、これを繰り返すわけですね。

 うーん、それにしても不思議だ。

(つづく)
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続き&更新に時間がかかっております。

 亀井喜久男先生の『フェルマー系列整数辺直角三角形及びハンドボールコート作成新方式の提案』を読んでいます。

啓林館 高校数学 教育情報誌 Focus Gold 通信 Vol.6
http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/ tea/kou/sugaku/focus_gold/pdf/vol006.pdf

 1つ前のエントリで示した逆行列は、一部の数値が入れかわってしまっていたので、訂正しました。あと、最後の「b÷cの値は√2の逐次近似となりますね」というのは「c÷bの値は√2の逐次近似となりますね」の間違いでした(こちらも訂正済みです)。失礼しました。



 というわけで、整数辺直角三角形の3辺の長さの組のうち、フェルマーの系列(直角をはさむ2辺の差が1であるようなもの)をどんどん作っていくことができる行列があることがわかりました。↓

     

 でも、ほんとにいつでもそうなるの?という疑問があるわけで、とりあえず b=a+1、c^2=a^2+b^2 とおいて文字式で地道に計算したところ、確認できました。確かに、この行列で(a,b,c)から(A,B,C)をつくると、やっぱりB=A+1になるし、C^2=A^2+B^2になります。n=0〜3の場合の4組の数値から導き出した行列なのに、そんなにうまくいっていいものだろうか?と不思議な気分。

 その不思議な気分をわきにおいといて、では、ピタゴラスの系列(直角をはさむ長いほうの辺と斜辺の差が1)、プラトンの系列(直角をはさむ1辺と斜辺の差が2)についても、行列が見つけられないか考えてみます。



 と、ここまで書いたはいいのですが、少し前にノートパソコンをかえて環境をかえたら、数式を含むエントリの投稿が非効率になってしまい(というか慣れの問題だと思う)、数式ひとつ入れるのにえらく苦労しております。いい方法がないか模索中です。あるいは、慣れまする。

 というわけで、興味をもたれた方は、ピタゴラスの系列と、プラトンの系列についても、「ある操作」にあたる行列を見つけてみてくださいませ。そして「あれ?」と思ったら、「フェルマーの系列」の行列で、1行目と2行目を入れ替えてみてくださいませ。そうすると、びっくりすることが起こります。

(つづく…できればつづけたい…)
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フェルマー系列整数辺直角三角形の、漸化式と行列

 亀井喜久男先生の『フェルマー系列整数辺直角三角形及びハンドボールコート作成新方式の提案』を読んでいます。

啓林館 高校数学 教育情報誌 Focus Gold 通信 Vol.6
http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/tea/kou/ sugaku/focus_gold/pdf/vol006.pdf



 「フェルマー系列」の整数辺直角三角形というのは、直角をはさむ2辺の長さの差が1であるような直角三角形のことで、辺の長さの組み合わせは(3,4,5)や(20,21,29)などが考えられます。この(20,21,29)という組み合わせが、ハンドボールコート新作成法〔岐阜東高校方式〕で活躍するわけであり、その話が上記の授業実践記録の後半で出てきます。

 ちなみに(20,21,29)の次は(119,120,169),その次は(696,697,985)だそうです。で、フェルマーの系列の数値の組は、ピタゴラスの系列やプラトンの系列のように、簡単な作り方を見つけることができないのだけれど、亀井先生は数値を見渡していてある漸化式を発見したそうなのです(1991年のことだそう!)。って、さらっと書いておられますが、いったいどうやって見つけたんでしょ!? 私も一応チャレンジしましたが、まったく思いつかず…

 その漸化式とは、次のようなものです。



 n=0のときには三角形の辺になりませんが、一応、(0,1,1)から始めると、n=1のときに(3,4,5),n=2のときに(20,21,29)、n=3のときに(119,120,169),n=4のときに(696,697,985),……となります。

 ほんでもって亀井先生は、「この式から線形性を予感し行列方程式を立てました」とのこと。私はここを読んだときに、フィボナッチ数列の一般項を行列で求めるを思い出しました。

 で、あのときと同じ感覚で、3つの数の組を変化させるような「ある操作」としての3×3行列を考えます(なお、「ある操作」という言葉は私が勝手にもちだしました)。

 

 この「ある操作」がどういう姿をしているかを知るために、真ん中の行列の逆行列を右からかけてみます。真ん中の行列の逆行列は、

      

となるので(計算サイトで計算した結果だけどあってるかな?)、これを先ほどの式の右からかけると……

    


 なんということでしょう!(「大改造!!劇的ビフォーアフター」風)


 亀井先生は、「次々と出てくる1,2,3に仰天しました」と書いておられますが、こんなにすっきりとした行列が出てくるんですね〜! それのみならず、対称行列でもあるぞ。うーむ、何かありそうだ。

 で、こうして求められた「ある操作」を行列Aとして、これを縦ベクトル(0,1,1)にかければ縦ベクトル(3,4,5)が出てくるし、さらにこれを行列Aの右からかけると、縦ベクトル(20,21,29)が出てくるわけです。以下順々に、フェルマーの系列の3つの組が求められる、ということになってしまうのです。

 なお、直角をはさむ2辺の差が1のまま、どんどん大きくなるので、形としては直角二等辺三角形に近づいて いくというのも直感的にわかります。したがって、c÷bの値は√2の逐次近似となりますね。

(つづく)
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『フェルマー系列整数辺直角三角形及びハンドボールコート作成新方式の提案』(亀井喜久男)

 このブログではすっかりおなじみになった亀井喜久男先生(カテゴリー作っちゃいましたよん^^>亀井先生)から、またまた面白そうなレポートが届きましたので、ご紹介させていただきます。というか、内容についてはだいぶ前にうかがってはいたのですが、とある冊子に公開されてweb上でもそれが見られるようになったので、このブログでも紹介させていただくことにしたしだいです。その冊子とはこちら↓

啓林館 高校数学 教育情報誌 Focus Gold 通信 Vol.6
http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/ tea/kou/sugaku/focus_gold/pdf/vol006.pdf

 このなかに、亀井先生の『フェルマー系列整数辺直角三角形及びハンドボールコート作成新方式の提案』という授業実践記録が掲載されています。なお、ハンドボールコート作成方式については、すでにこのブログでご紹介させていただいています↓

  ハンドボールコート新作成法〔岐阜東高校方式〕

 というわけで、今回は「フェルマー系列整数辺直角三角形」なるもののご紹介です。整数辺直角三角形というのは、いわゆる3辺が3cm、4cm、5cmの直角三角形とか、5m、12m、13mの直角三角形のように、辺の長さが整数になる直角三角形のことで、つまりは a^2+b^2=c^2 を満たす3つの自然数の組(a,b,c)について考えるというのが今回のお題です。

 すでに例として出した「3:4:5」、「5:12:13」のあたりがいちばんメジャーでしょうか。私も、算数の問題を作るときにお世話になってます(たとえば道のりと距離の問題など)。で、こういう数値の組はいわゆるピタゴラス数ということになりますが、ピタゴラス数といってすぐに思い出すのは結城浩『数学ガール/フェルマーの最終定理』。(ピタゴラス数について何か書いてたかな?と思いきや、ピタゴラス数どころか本の紹介以外何も書いていないし〜(>_<)…)

 結城浩『数学ガール/フェルマーの最終定理』のピタゴラス数のところでは、原始ピタゴラス数(a^2+b^2=c^2を満たすa,b,cの組のうち、a、b、cの最大公約数が1になるようなもの)の一般形まで、そして原始ピタゴラス数は無数に存在するということを、いつものようにゆっくり丁寧にたどってあります。


〔原始ピタゴラス数の一般形〕

 (a, b, c) = (m^2 − n^2, 2mn, m^2 + n^2)

 ※m、nは互いに素
  m>nを満たす
  m、nの片方は偶数で、他方は奇数


 さて、亀井先生の授業実践記録です。なんでも、同じ原始ピタゴラス数でも「系列」のようなものがあるそうなのです。まず、直角をはさむ長いほうの辺と斜辺の長さの差が1である組、すなわち(3,4,5)や(5,12,13)のような組が「ピタゴラスの系列」。ちなみに「〜系列」という言い方は一般的ではないのかもしれません。参考文献は大矢真一『ピタゴラスの定理』(東海書房/1952、のち東海大学出版会)とのこと。

 また、直角をはさむひとつの辺と斜辺の差が2であるような組、すなわち(8,15,17)や(12,35,37)などが「プラトンの系列」、直角をはさむ2辺の長さの差が1であるような組、すなわち(3,4,5)や(20,21,29)などが「フェルマーの系列」なのだそうです。今回はこの「フェルマー系列」について考えていくことになります。

 とりあえず先に、ピタゴラスの系列とプラトンの系列の作り方を、例をあげて確認しておきます。


〔ピタゴラス系列〕

・3以上の奇数aを1つ用意 → 7
・aを2乗して1をひき、2でわってbとする
     → (7^2−1)÷2=24
・bに1をたしてcとする → 24+1=25

 (7,24,25)のできあがり

 証明は、a=2n+1とおいて、普通に文字式で計算したら確認できました。


〔プラトン系列〕

・4の倍数aを1つ用意 → 8
・aを2でわって2乗してa´とする → (8÷2)^2=16
・a´から1をひいてbとする → 15
・a´に1をたしてcとする → 17

 (8,15,17)のできあがり

 こちらも、a=4nとおいて文字式で計算したら確認できました。途中で出てくる式の雰囲気は、先ほど示した一般形に近いです。

 では、フェルマー系列はどうなるのか? と考えるときに、漸化式と行列が出てくるのです〜d(^^)

(つづく)
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亀井喜久男さんの微積分の論文URL

 「比的率」は外延量という考え方(11)/図形における比率から、「デカルト座標平面線分算」へにおいて、亀井喜久男先生の論稿のお話を少し出しましたが、これは私が個人的にいただいた論稿集に掲載されていた文章のほんのさわりだけご紹介したものでした。

 で、私の手元にある論稿とまったく同じものではないかもしれませんが、サイエンス社の『数理科学』 1994年2月号 No.368の「研究室の窓」に、「微積分学習への提言」という論文が収められているそうです。(特集テーマからして「ん!?」と思ったら、まだペギオのない郡司さん?の論文もあるではないかっ)

 こちらはさすがに品切れですが、微積分のイメージについての論文は、インターネット上からも入手できるそうで、CiNiiの以下の2つのURLを教えていただきました↓

■微積分学習への提言--定積分のイメ-ジの2つの型について
http://ci.nii.ac.jp/naid/40002000910

■8-2 デカルト線分算、微積分統一映像を用いた微積分の指導
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003762141

 ご興味をもたれた方は、是非のぞいてみてくださいませ〜!   
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岐阜新聞URLのお知らせ

 ハンドボールコート新作成法〔岐阜東高校方式〕が岐阜新聞に掲載されたようですので、サイトのURLをお伝えしま〜す!↓
http://www.gifu-np.co.jp/hot/20130216/201302161059_7104.shtml

 それから数年前の、別の実践についての記事も教えていただいたので、あわせてお伝えしますね。↓
http://www.gifu-np.co.jp/tokusyu/nie/hiroba/hiroba200905183.htm



 なお、たとえばこんなとき、「かけ算の順序問題」賛成派・反対派はどう考える?で、「小数のかけ算について考えると面白いかもしれませんよ」ということを問いかけましたが、亀井先生からはさっそくリアクションをいただいていました。まだご紹介できるほど私が理解を深めていないのでそのままになっていますが、あしたから書くつもりでいる算数の連続エントリが、亀井先生の提案の話ともつながるかな?・・・と思っています。というわけで、きょう3つエントリ書いちゃった。
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【紹介文の訂正】>ハンドボールコート新作成法できれいにかけるようになった正方形の場所

 ハンドボールコート新作成法〔岐阜東高校方式〕において、

全体の形は、1辺20mの正方形を2つ並べた形になっていますが、亀井先生のお話だと、この方法を使うまでは、こんなにきれいには描けなかったらしいとのこと。

と書きましたが、勘違いしていたようです(>_<)。ゴール前の下の正方形(の位置に配置される4点)のことのようです↓ (もしまた違っていたら、ご連絡くださいませ>亀井先生)



 亀井先生からのメールに「3mの正方形」とあったのに、「そうそう、最初の正方形がいちばん難しいですよねぇ!」と自分の先入観で正方形に過敏に反応してしまい、3mを見落としていました。この4点は作戦をたてるときにも説明に使われるものなのだとか。

 とかいいながら、また勘違いしている可能性もなきにしもあらず・・・ そのときにはまた訂正しまーす。

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