TETRA'S MATH

数学と数学教育

モンティ・ホール問題・05

 三囚人問題、変形三囚人問題を考えたあと、モンティ・ホール問題を含め、それぞれを図で考えてふと思ったこと。

 なぜ、モンティ・ホール問題で、司会者が扉を開けたあとの確率は1/2ずつにならないのか。

 それは、解答者が選んだドアは、司会者の選択において蚊帳の外にあるからではないか、という気がしてきました。解答者が選んだ扉は、当たっていようがはずれていようが、「解答者が選んだ」という理由だけで、選別の対象からはずされます。司会者に吟味されることなく「残される」。

 それにひきかえ、解答者が選ばなかった扉は、司会者の選別の土俵に上げられて、その試練(?)を経た上で、「残される」。「どっちを開けようかな〜」という司会者の目にさらされる緊張感を味わったぶん、残された扉のほうが、解答者が選んだ扉よりも成長して(!?)当たる確率が高くなっているような、そんなイメージをもちました。もともとの実力が互角であるので、なおさら。

 なんだかとっても感覚的なものの言い方ですが、自分としては、これまで数式や図で考えてきた数学的考察を踏まえた上でのイメージです。

 モンティ・ホール問題についてはいまだよくわからず、ですが、とりあえずここで一区切りとします。
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変形モンティ・ホール問題

 私は最初、選択の場面があるときにどれを選ぶことも同様に確からしい -----

    ・どの扉が当たりか
    ・どの扉を解答者が選ぶか
    ・解答者が当たりの扉を選んだときに
      司会者がハズレのどちらの扉を開くか

                  の確率がそれぞれ等しい

----- 問題であれば、「解答者がはじめに当たりを選ぶ確率と、最終的に扉を変更せずに当たる確率が等しくなる」と思っていたのです。しかし、同様に確からしくなくても、確率が変化しない場合があるらしいのです。

 正己の異論・反論さんこちらのページによると、(Bが当たる確率):(Cが当たる確率)=(解答者がAを選んだとき司会者がCを開ける確率):(解答者がAを選んだときに司会者がBを開ける確率)であればいいらしいのです。

 ということを考えるために、まず、A、B、Cの当たる確率を 2:1:2 に変えて、あとの条件は同じで考えてみます。

<解答者が最初に扉Aを選んだとき>



 たまには計算で確かめてみよう。



 司会者が扉を開けたあとの扉Aが当たる確率は 1/3 になってしまいました。最初の確率は 2/5 であったのに。

 さらに面倒なことには、もし、司会者が扉Cを開けたとすると、扉Aと扉Bの当たりの確率は同じになってしまうのです。

 普通に考えれば、「A、B、Cの当たる確率は40%、20%、40%」と言われれば、AかCかのどちらかを選びたくなるわけで、Aを選んでみたら、Cはハズレだと言われた。ならば、AとBではAの当たる確率が高いのだから、扉を変更しないほうが断然トクだ、と考えたくなるというものです。がしかし、実際は 1/2 の確率になってしまうらしいのです。一応、2/5 から 1/2 へと確率は上がりましたが。(計算まちがっていないかな?)

 この問題において、「ほらね、2つ残ったときには確率は 1/2 ずつでしょ?」という意見に対しての反論がすごく難しいです。というかできないです。実際に 1/2 だから。でも、それは2つのうちの1つだから、ということではない。のだと思う。モンティ・ホール問題の解説の難しさは、これと同じようなことなんじゃないでしょうか。

 では次に、「A、B、Cの当たる確率は 2:1:2 」に加えて、次のような条件を出します。「もし、解答者がAを選んで、Aが当たりであったとき、司会者がB、Cを開ける確率は 2:1 になる」←なんだかすごく不自然なルールですが、とりあえずそうであったとします。この場合はどうなるかというと……



 司会者がBを開けたあとのAが当たる確率は 4/10=2/5 で、扉を開ける前と同じになりました。

 というわけで、場面場面の選択が同様に確からしくない場合でも、比率を調整すると、もとの確率にもどすことができるようです。
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モンティ・ホール問題を図で考える

 今度は、モンティ・ホール問題を図で考えてみます。

<解答者が扉Aを選んだ場合>
   

 司会者が扉Bを開ける前も開けたあとも、扉Aが当たる確率は 1/3 だけど、これは同じ意味の 1/3 なのだろうか?

 司会者が扉を開ける前の「Aが当たり」の「1/3」 は、A、B、C3つの扉のどれがあたることも同様に確からしいことから「1/3」になるのだけれど、司会者が扉を開けたあとの「Aが当たる」確率の「1/3」はどこからきているのだろう?

 こんなときには、扉の数をふやしてみるとわかりやすくなるかもしれない。とりあえず4つにしてみます。解答者がどれかの扉を選んだあと、司会者は扉を1つだけ残すことにします。

<解答者が扉Aを開いた場合>
   

 なるほど、やはり同じような結果が出ます。こうやってみていくと、やっぱり扉の数の比率・・・この場合、解答者が選んだドアが当たりである確率と、はずれる確率・・・の 1:3 が、最終的な確率の比率 1:3 と一致するので(厳密な条件が何であるかの考察はもちろん必要だけど)「確率は変わらないので」を根拠にしてもそうわるくはないんじゃないかなぁ・・・と思いながらもう1つ。

 もし、扉4つの場合で、司会者が扉を1つだけ残すのではなく、1つだけ開ける(2つ残す)としたら、どうなるのか考えてみました。

   

 この場合も最初の確率「1/4」はたもたれて、扉を変更したほうが当たる確率は高くなります。

うーむ・・・

 とうなりながら、正己の異論・反論さんこちらのページを読んでみたら・・・

(つづく)
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三囚人問題を図で考える

 正己の異論・反論さんの三囚人問題と変形三囚人問題に、円グラフのような図が示されていて、とてもわかりやすいと思いました。市川伸一さんが考案されたもののようです(かな?)。

 で、自分も図で考えてみたくなったので、帯グラフ風の図で考えてみることにしました。


〔三囚人問題〕

   


〔変形三囚人問題〕

   


 目盛りがなくてわかりにくいけれど、これはこれでやってみると楽しいです。モンティ・ホールもやってみようか。
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変形三囚人問題

 変形三囚人問題は、A、B、Cの恩赦になる確率が 1/3 ずつにはなっていません。こちらも正己の異論・反論さんの三囚人問題と変形三囚人問題から転載させていただきます。
 
 3人の囚人A、B、Cがいて、2人が処刑され、1人が恩赦になることがわかっている。それぞれが恩赦になる確率は、罪の大きさを考慮して、1/4、1/4、1/2 とされ、クジによって恩赦の囚人が決まった。その結果を知っている看守に対し、囚人Aが「BとCのうち、処刑される1人の名前を教えてくれないか」と頼んだ。看守は、かまわないだろうと思い、「囚人Bは処刑されるよ」と教えてやった。この返事を聞いたあとの、囚人Aが助かる確率はどれだけか。(ただし、看守はウソをつかないこと、囚人B、Cがともに処刑される場合には 1/2 の確率でどちらかの名前を言うことを仮定する。)

 こちらも同じように表にまとめて、計算してみます。





 というわけで、変形バージョンの場合は、看守に答えをきくことによって、恩赦になる確率が 1/4 から 1/5 にさがってしまいました。

 ここが驚きどころなのかもしれないけれど、でもこれって、直感に反するというより、とてもあたりまえのような気がする私です。Aにとって、Bは互角の相手だけどCは強敵で、看守から答えをきいたことにより、互角の相手が消えて強敵と勝負をしなくてはならなくなったのだから、確率がさがるのは腑に落ちます。

 もし、「囚人Cが処刑されるよ」だったらどうなっていただろうか。





 この場合は助かる確率が 1/4 から 1/3 に上がるようですが、計算あってるかな?

 もしあってるとしたら、ますます納得。

 “猫ちゃんフラッシュ”は厳密には間違いとしている() 缶の可換環館 おかわり さんの モンティ・ホールのジレンマの続き も、このことを言っているのかな?

 モンティ・ホール問題において、司会者が扉を開ける前に自分の選んだ扉が当たりである確率は 1/3 で、司会者が扉を開けたあとの確率も 1/3 ですが、これは「司会者が扉を開けたことによって最初の確率は変わらない」ことを示しているのではなく、この問題の条件をふまえたうえで答えを出すと、結果的に「確率は同じ」ということになるのではなかろうか。

 変形三囚人問題においては、看守から答えをきく前にAが恩赦になる確率は 1/4 でしたが、看守から答えをきいてしまうと、それがどのような答えであっても、Aが恩赦になる確率は変わってしまいます。

 ということから、この変形三囚人問題は「情報を得ることによって事前確率の修正が必要(可能)になり、意味ある事後確率が得られる」という点で、ベイズの定理がとてもわかりやすくなると感じました。

 モンティ・ホール問題では、「司会者が1つの扉を開けたあと、残された2つの扉のどちらが当たりであるかの確率は 1/2 ずつだ」という意見がよくありますが(というか、これが本来の考え方・感覚なので、そうではないことがわかって有名な問題になったんだろうな…)、その根拠として、「扉が2つになった時点で問題はリセットされ、残された扉は2つなので、どちらを選ぼうが確率は 1/2 ずつだ」ということがあげられています(たとえばこちらの論争において)。この考えをもつ人は、「司会者が扉を開けた時点で確率は変わる」という感覚においてはきっと正しいのだと思います(リセットではないけれど)。

 これに反論しようとすると、「変更しないで当てる確率は1/3、変更して当てる確率は2/3」という説明をしたくなってくるわけなのですが、これは、「扉を開けても確率は変わらない」のではなく、この問題の条件をふまえて計算すると、結果として「扉を開ける前と変わらない」ということなんじゃないかという気がしてきました。

 なので、「扉を開けても確率は変わらないので」ということは手放しで根拠にできないのだと思います。ただし、それぞれの選択の場面においての確率が同様に確からしいのであれば、扉の数がふえても同じ考え方で問題は解けるようです。

 と、言葉を尽くしても数式で表してもなかなかしっくりこないので、今度は図を使って考えてみます。
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三囚人問題

 というわけで、まずは三囚人問題(基本形)です。市川伸一著『考えることの科学』中公新書に載っている(らしい)問題を正己の異論・反論さんの三囚人問題と変形三囚人問題から転載させていただきました。(漢数字を算用数字に変えてあります。)


 3人の囚人A、B、Cがいる。3人とも処刑されることになっていたが、王子が結婚するというので、王様が1人だけを恩赦にしてやることになった。だれが恩赦になるか決定されたが、まだ囚人たちには知らされていない。結果を知っている看守に対し、囚人Aが「BとCのうち、どちらかは必ず処刑されるのだから、処刑される1人の名前を教えてくれても、私に情報を与えることにならないだろう。1人を教えてくれないか」と頼んだ。看守は、その言い分に納得して、「囚人Bは処刑されるよ」と教えてやった。これを聞いた囚人Aは、「はじめ、自分の助かる確率は1/3だった。今や助かるのは自分とCだけになったので、助かる確率は 1/2 に上がった」と喜んだという。さて、実際には、看守の返事を聞いたあとの、囚人Aが助かる確率はどれだけか。


 モンティ・ホール問題と同じように、表にまとめて考えます。A、B、Cが恩赦になる確率をそれぞれP(A)、P(B)、P(C)と表し、看守の返事はIを使って表すことにして、「囚人Aは処刑されるよ」と答える確率をP(IA)「囚人Bは処刑されるよ」と答える確率をP(IB)、「囚人Cは処刑されるよ」と答える確率をP(IC)とします。



 A、B、Cが恩赦になる確率はそれぞれ 1/3 ずつで、Aが看守にたずねているので、看守が「囚人Aは処刑されるよ」と答える確率は0になります。また、それぞれの場合において、恩赦になる人を処刑されると答える確率も0です。

 というわけで、モンティ・ホール問題のときとまったく同じ表ができました。いま知りたいのは、看守が「囚人Bは処刑されるよ」と答えたときのAが恩赦になる確率なので、

   

となり、結局、看守に答えをきいてもきかなくても恩赦になる確率は 1/3 のままとなりました。助かる確率が1/2 に上がったわけではなかった。

 この問題は、モンティ・ホール問題よりも個人的には意外度が高いです。直感で考えると 1/2 になるような気がします。

 さて、次は変形三囚人問題です。
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モンティ・ホール問題・04

 モンティ・ホール問題についてはいろんなサイトを見てまわりました。たとえばこちらのページは、フラッシュを使って猫ちゃんが簡潔に説明してくれるので、わかりやすいです。ところが、こちらのページでは、先の“猫ちゃんのフラッシュ”における解説は「厳密には間違っている」と書いてあるのです。

 “猫ちゃんフラッシュ”でどういう説明がしてあるかというと、扉を10個にして考えたとき、最初に当てる確率は10%、はずれる確率は90%であり、はずれた場合は司会者が答えを1つにしぼってくれるので、残りの扉は必ず当たりということになる。つまり、最初の扉が当たっている確率は10%、変更後の扉が当たる確率は90%である、といったような説明です。

 まあ、だいたいそんなところかな、と納得しかけていたのですが、上の説明のどこが間違っているのだろうか・・・

 さらに検索を重ねて、いちばん解説が詳しいなと思ったのがこちらのページです。補足もあり、そのほかにも関連記事がたくさんあります。

 “猫ちゃんフラッシュ”の解説を間違いだと書いてあるサイトも、上記の詳しいサイトも、モンティ・ホール問題の構造をより明確にするために、「三囚人問題」を出しています。また、他にも「三囚人の問題」を借りて説明してあるページがたくさんありました。これってあの有名な「囚人のジレンマ」かな?と思いきや、全然違う問題でした(笑)。

 というわけで、「三囚人問題」を考えてみたいと思います。参考文献として市川伸一氏の著書をよく見かけますが、もともとの「三囚人問題」(「サーベロニの問題」とも呼ばれているようです)を少し変えた「変形三囚人問題」の考案者のおひとりが市川さんのようです。市川伸一さんって教育学部の人という印象があったのだけれど(…検索中…)認知心理学の方なのですね。認知心理学畑で出てきた話なんだろうか?

 それはそうと、モンティ・ホール問題のことを「パラドックス」としているページもあるようですが、この問題は、ジレンマではあってもパラドックスではないのではなかろうか…?
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モンティ・ホール問題・03

 今度は、ベイズの定理でチャレンジしてみます。

 といっても、いったい何をどう設定したらよいものか。当たりの扉はどれか、解答者が最初にどの扉を選ぶのか、司会者がどの扉を開けるのか、解答者は扉を変更するのかしないのか・・・と時間の流れの中でいろいろ考えなくちゃいけないことがあって、全部いっぺんに考えようとすると難しいです。なので、場面を限定することにしました。司会者が選ぶ扉は解答者が選ぶ扉によって左右されるので、解答者が選ぶ扉を固定して考えることにします。

 3つのドアをA、B、Cとして、解答者は扉Aを選んだものとします。また、賞品の頭文字のS(日本語の頭文字でかっこわるいけど…)をとって、Aが当たりであること、Bが当たりであること、Cがあたりであることの事象をそれぞれSA、SB、SCと表すことにします。さらに、司会者が扉Aを開けること、扉Bを開けること、扉Cを開けることの事象を、それぞれオープンのOをとって、OA、OB、OCと表すことにします。

 当たりの扉と司会者が開ける扉の組み合わせにより、確率は次のようにまとめられます。

     

 まず、どの扉が当たりになるかの確率は 1/3 ずつで、司会者が当たりの扉を開ける確率は0、また、解答者がAを選んでいることからAの扉を開ける確率も0です。

 そして今知りたいのは、変更する場合としない場合でどちらが当たる確率が高いかということです。ベイズの定理でいうところの事前、事後の「事」は何かといえば、司会者が扉を開けることなのだから、「司会者が扉Bを開けた上での扉Aが当たる確率」と「司会者が扉Bを開けた上での扉Cが当たる確率」を比べるか、「司会者が扉Cを開けた上での扉Aが当たる確率」と「司会者が扉Cを開けた上での扉Bが当たる確率」を比べればよいということになりそうです。で、とりあえず司会者が扉Bを開ける場合について考えます。

 記号で書くと、P(SA|OB) と P(SC|OB)のどちらが高いかを比べる、となるんでしょうか。

 で、上の表の黄色部分の計算からわかるように、P(OB)=1/2 なので、ベイズの定理より、

   

 前回と同じく、「扉を変更しないときの当たる確率は1/3」「扉を変更したときの当たる確率は2/3」となり、やはり扉を変えたほうが当たる確率が高くなるという結論が出ました。

 これであっているんだろうか?

 自分としては、場面を限定して考えているところにやや不安を感じています。

(つづく)
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モンティ・ホール問題・02

 まず最初に、中学数学的方法にて、場合の数を数え上げる感覚で考えてみます。

 3つの扉をA、B、Cとして「どこの扉の向こうに賞品があるか」「解答者が最初にどの扉を開けるか」を考えると、全部で3×3=9(通り)のパターンがあります。さらに、司会者がどの扉を開けるか、それに対して扉を変更するかしないかを考えあわせると、24通りのパターンになります。(なお、最初に解答者が当たりのドアを選ぶと、司会者は残りの2のうちのどちらでも開けていいことになり、はずれのドアを選ぶと、司会者が開けるドアはおのずと決まってきます。)

 全部書き出すと大変なので、とりあえず扉Aに賞品がある場合について考えてみます。扉B、Cに賞品がある場合も同じような樹形図になるはずです。



 解答者の最終決定は、上が変更なし、下のピンク部分が変更する場合で、当たりは○、はずれは×で示してあります。

 んんん? あたりもはずれも同じ数ずつじゃないか……

 ってことは、変更しようがしまいが確率は同じなのか??

 で、何がおかしいのかと考えてみると……



 最終決定のところの枝の1本1本の重みはすべて等しいわけではなく、解答者がどの扉を選ぶかの確率は 1/3 ずつなのだから、司会者が扉を開けるそれぞれの確率、解答者の最終決定による当たりはずれの確率も、解答者が最初に選んだ扉の枝ごとに 1/3 にならなくては困ります。というわけで、変更したらはずれる確率は 1/3、当たる確率は 2/3 という結論が出ました。

 果たしてこれでいいのだろうか?

(つづく)
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モンティ・ホール問題・01

 私的数学塾さんのベイズの定理のページには、「3つの箱の中から当たりをさがすクイズ」の問題も載っていました。同じような問題を過去にもきいたことがあるので、これは転載ではなく、記憶を頼りに扉バージョンで再現してみます。

 3つの扉のどれか1つに豪華賞品が隠されている。解答者はまずその中の1つを選ぶ。次に、答えを知っている司会者が、残りの2つのうち賞品が隠されていない扉を1つあける。この時点で、解答者は扉を変更するチャンスが与えられるが、扉を変更するのと変更しないのとでは、どちらが賞品のある扉を当てる確率が高くなるか。

 たぶん有名な問題なんだろうとは思っていましたが、「モンティ・ホール問題」あるいは「モンティ・ホールのジレンマ」という名前がついていることを最近知りました。Monty Hall さんがホストを勤めるアメリカのゲームショー「Let's make a deal」に由来する問題なので、こう呼ばれているようです。

 さて、「モンティ・ホール」で検索をかけると、実に様々、いろんなページがひっかかってきます。みなさん手をかえ品をかえ言葉を尽くし、「扉を変更したほうが当たる確率が高くなる」ことを説明してくれています。

 私自身、どうするかと考えてみたとき、もしこの問題のことを知らなかったら、扉を変更しないだろうと思います(あるいは、司会者の微妙な表情などを読み取ろうとするかもしれない)。なぜかというと、変更せずにはずれたらあきらめがつくけれど、変更してはずれたらとても悔しいような気がするからです(負けず嫌いなのか!?)。最初の自分の勘を信じたい、という発想かもしれません。

 だけど、この問題のことを知ったいまとなっては、確かに変更したほうがよさそうだと納得したので、きっと変更すると思います。納得したというのは、感覚的に納得したということで、理論的にはまだぼんやりしています。感覚的に納得しやすくするためには、司会者の立場にたって何度かシミュレーションをしてみるのがいちばんだと思いました。

 解答者が最初に当たりの扉を選ぶ確率は 1/3 ですが、この場合は司会者は残りの2つのどちらを開けるのか自分で決めなければなりません。だけど、解答者がはずれの扉を選んでくれれば、あとは自動的に開ける扉が決まってきます。そして、はずれの扉を開く確率は当たりの扉を開く確率の2倍なので、どちらの扉を開けるのか自分で決める場合よりも、自動的に開ける扉が決まる場合のほうがだいぶ多いという感覚が得られます。自動的に開ける扉が決まる場合というのは、残りの1つが当たっている場合なので、解答者は扉を変更したほうがいいということが感覚的に納得できます。

 で、この問題に対して「理論的な矛盾は指摘できないが、感覚的に納得できない」という人もいるでしょうし、「感覚的には納得できるが理論的に説明されるとだまされた気がしてくる」あるいは「説明できない」という人もいるのではないかと思います。私は後者です。

 たとえばこんな説明があったとします。解答者が最初に当てる確率は 1/3 だから、「扉を変更せずに当てる確率」は 1/3 であり、最初にはずれる確率は 2/3 だから、「扉を変更して当てる確率」は 2/3 である。とてもシンプルで納得しやすいようにも思えるのですが、なんとなぁく「ちょっとまてよ」という気持ちになってしまうのです。

 それから、問題の形を変えての解説もいろいろあるようです。扉を10個にしてみる、あるいは100個にしてみるとか、「三囚人問題」をはじめとして同じ構造をもつ他の問題に置き換えて考えてみるとか。これはこれで問題の核心部分を浮き彫りにするためにはいい方法だろうと思うのですが、できればまずは「モンティ・ホール問題」そのものをダイレクトに理解する努力をしてみたいです。

 というわけで、あれこれ考えてみることにしました。

(つづく)
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