TETRA'S MATH

数学と数学教育

三角関数の加法定理と指数法則

 ゼータ関数を少しでも理解したいという遥か彼方の目標のおかげで、まずは高校数学の基礎(の大部分)をひととおり復習することになりそうです。(この目標なくしてすべてを復習しようとは思わないだろうなぁ〜)

 さて、(私にとっては)昔懐かし三角関数の加法定理を少し復習してみました。いま、高校生たちはどうやって覚えているんだろう? コスモス咲いた、かな? 私は確か、サーコスコスサー、コスコスサーサー、1ひくタンタン、タンたすタンと覚えました。(符号はどうしてたんだろう?) 公式はだいたい覚えていましたが、証明はすっかり忘れていて、高校の教科書で確認してみました。なるほど。これってきっと、もっといろんな証明があるんでしょう。(そのうち検索してみよう)

 とりあえず、この先の話に必要な、加法定理のうちの2つの式を示します。

   

 単位円上の1点のx座標はcosθ、y座標はsinθと表せるので、複素数を頭にいれて cosθ+ i sinθ を考えることにすると、加法定理から、次の式が得られます。



 黄色、ピンク、緑はそれぞれ1つの複素数を表す形になっています。そこで、f(x)=cos x + i sin x という関数を考えると、◎の式は次の形になっていることがわかります。

      f(x+y)=f(x)f(y)

 左辺は( )の中が和で、右辺は関数値どうしの積になっている……というわけで思い出されるのが指数法則です。

     

 もう一歩進めて次のような指数関数を考えます。

     

 上の式に α=i を代入すれば、

     

となり、これは関数

     

を考えたときの、f(x+y)=f(x)f(y)を表したものになっています。

 つまり、複素数の世界においては、三角関数の加法定理と指数法則が対応していることがわかりました。

 そうして「オイラーの関係式」が見えてきました。

          

 オイラーの関係式は、複素数の世界において指数関数と三角関数がつながっていることを示した式と言えますが、こんなふうにして、一見何の関係もなさそうな三角関数と指数法則が「複素変数の指数関数」という1つのものに統一されていったのだなぁ、ということが少しわかってきたような気がします。
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複素数と行列

 ある複素数にどんどん i をかけていくと、実部と虚部の絶対値が交互に入れ替わって、実部から虚部にうつるときには符号はそのまま、虚部から実部に移るときには符号が反対になります。

      2+5 i
   → −5+2 i
   → −2−5 i
   →  5−2 i

(だからこそ、複素数平面上で原点を中心にして90度ずつ反時計回りに回転していくのでしょう↓)

   

 ということは、i をかけるということは、次の行列をかけることと同じなのだなぁ、ということがわかります。

     …★

 つまり、複素数 x+yi に i をかけると −y+x i になることを行列で示すと、次のようになるのだと思います。

     

 ★の行列を2つかけると、実部と虚部の絶対値を入れ替えて符号も反対にする行列になるし、こうしてできた行列をさらに2つかけると、変化を起こさない行列、つまり単位行列になります。

     

 では、複素数 x+yi に 複素数 a+bi をかけた場合は何が起こるかというと、計算では

   

となり、これを行列でかけば

   

となりそうです。

 考えてみれば、×(a+bi) を ×a と ×bi にわけると、aのほうは単位行列のa倍だし、biは★の行列のb倍なので、



となり、(あたりまえのことながら)先の計算で導き出した行列と一致します。

 結局、複素数 a+bi をかけるということは、次の行列をかけることと同じ意味をもつことがわかりました。

   …☆

 というわけで、複素数平面において、複素数をかけることで何が起こるかをみることは、行列の1次変換と同じように考えることができるらしいということがわかってきました。(三省堂の教科書で複素数のところに「小沢猫」が登場していた意味がようやくわかってきた私です。)

 なお、☆の行列全体の集合は、複素数体のもつべき性質をすべて備えた体系なのだそうです。
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i^2=−1 の幾何学的内容

 複素数平面において、ある点(を表す複素数)にi をかけると、原点を中心として反時計回りに90度回転させた点に移るので、i^2 をかけると原点を中心として180回転させた点に移ります。つまり、原点からの距離は同じで方向が反対になり、数直線上で−1をかけたときと同じことが起こります。

 1本の数直線(x軸)で実部を表し、それに直交するもう1つの数直線(y軸)で虚部を表すことと、i^2=−1の意味・・・・・・なんだかとてもあたりまえのような、うまくいったもんだなぁと感心すべきことのような、不思議な気分です。

 とりあえず 実数× i で考えてみると、

   2× i =2 i  → 2 i × i =−2
  −5× i =−5 i  → −5 i × i =5

   

 純虚数× i では、

   3 i × i =−3 → −3× i = −3i
   −7i × i = 7 → 7× i =7i

      

 複素数× i で考えて、

  (2+5 i )× i =−5+2i → (−5+2i)×i=−2−5i

      

 虚数単位iというものを式の中だけで考えると「2乗して−1になるなんてどういうことよ!?」と思うけれど、上記のように複素数平面を考えると、2乗して−1になるって便利だなぁ、と思うのでした。かつ、−1を2回かけると1になる(もとにもどる)ことも便利だなぁと思えてくるのでした。
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「i」のイメージ

 虚数単位 i についてのこれまでのイメージは「2乗すると−1になる数」というものでした。イメージもなにも、それが虚数単位 i なのだと思います。だから、 i というのは方程式の解の中で現れてくるもの、という感覚があります。実部と虚部をもつ複素数a+b i についても、とりあえずそのイメージはたもたれています。

 でも、話が複素数“平面”にいくと、自分にとっての i のイメージが変わってきます。なんというか、とても幾何学的なものに感じられます。

 実数範囲の座標平面では、ある関係のもとで対応する2組の実数x、yの組を1つの点として表していましたが、複素数平面というのは1つの複素数 x+ yi の実部と虚部のx、yを座標平面の1点として表すものなので、2つの実数で表される1つの数ということになり、なんだか不思議な感じがします。そして、すべてはここから始まったような気がします。

 実数全体の集合は線分で表現されるけれど、複素数全体の集合は平面で表現される。だから、原点から複素平面上の1点へ向かう矢印、大きさと方向をもつ矢印としてのベクトルとの関係も深くなってくるのでしょう。

 複素数平面はガウス平面ともいいますが、ガウスの発明ではなくて、ノルウェーのウェッセルとスイスのアルガンだと言われているそうです。ガウスは複素数平面を用いて、「複素数係数のどんな方程式も、複素数の範囲に解をもつ」という代数学の基本定理を証明したそうなので、やはり複素数平面の代数的な意味、方程式の解との関わりの意味は大きいのでしょう。
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複素関数のテキスト

 というわけで、複素関数のテキストを1冊購入しました。

          

 インターネットで本を買うときには、どんな本でも、ページをめくれないぶん、しばらく検討して、何か背中をおされる瞬間があったときに注文するのですが、このテキストはAmazonのレビューを見てすぐに注文してしまいました。

 他の複素解析のテキストを読んだことがないので比較のしようもないのだけれど、確かに読みやすいです。というか、いまの私にちょうどよいような気がします。ゼータ関数に興味をもつ前に読んでも、ちんぷんかんぷんだったろう。というか、そもそも読まなかっただろう。

変数の範囲を実数から複素数に広げるという一見平凡な拡張から、驚くほど美しい調和に満ちた世界が開けていく.同時に複素関数は具体的な問題の解決にも絶大な威力を発揮する.

 その「美しい調和」と「問題解決の威力」の“さわり”だけでも感じられるといいなぁ〜!
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関数z^2 と ネコロボット・05

 これまでネコロボットの上半身と下半身を別々に考えてきましたが、いよいよ2つをつなぎあわせてみたいと思います。「関数z^2 とネコロボット・04」のド・モアブルの定理からもイメージできるように、移されたあとの下半身の点はすべて偏角が360度より大きくなり、座標としては上半身と重なるのだけれど、平面としては2周目というか“その次の平面”に点がいくような感じになります。

 つまり、上半身、下半身のそれぞれの平面において、次の黄色い線の部分に切り込みを入れ、つなぎあわせれば、関数z^2で移されたネコロボットの全身図が見えてきます。







 けっこう、ねじられちゃってかわいそうだけど、背中の毛づくろいをしているように見えないこともないかな…!?

 上のような平面が、いわゆる「関数z^2に対応するリーマン面」なのだと思います。

[参考URL]
http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/12cmplx/adxcmp01.html
http://www.geocities.jp/ruy406/math/math17.pdf
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関数z^2 と ネコロボット・04

〔ド・モアブルの定理について〕

 複素数平面のことを調べていると、「ド・モアブルの定理」の文字をよく見かけます。そのうち必要があったら勉強しようと思っていたけれど、なるほど、よく出てくる意味がようやくわかってきました。

 この定理の、名前だけは覚えていました。たぶん、学校で教わったのでしょう。なぜ覚えているかというと、ド・モアブルとド・モルガンのどっちがどっちかよくわからなくなっていて、そのうちどっちもわからなくなっていって、その紛らわしさから、逆に名前の印象だけ強く残った…というありがちな(?)パターンにて。

 高校の教科書では、「数学B」の「複素数」のところに載っていました。

 さて、関数z^2によって点を移すとき、この定理は大変に便利です。

     

 関数z^2 では、それぞれの点を表す複素数を2乗するわけなので、ド・モアブルの定理にn=2を代入すれば、移される先の点の偏角が求められます。

     

 つまり、移したあとの点A′の偏角は、移すまえの点Aの偏角の2倍になります。また、「関数z^2 と ネコロボット・01」の右目の場合は、OA=√10なので、OA′=10となります。

   

 下半身の場合は、すべての点の偏角が180度以上なので、その2倍は360度以上となります。

   

(つづく)
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関数z^2 と ネコロボット・03

 というわけで、座標軸に平行な直線は放物線に移ることがわかったので、ネコロボットの上半身では、耳とあごのほかは次のように放物線で結べばよさそうです。




 下半身はこうなります。



 残るは、耳とあごの斜めの線です。(下図の緑・オレンジ・水色の部分)



 それぞれ計算してみたところ、すべて、y軸を軸とする放物線の式が得られました。



(つづく)
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関数z^2 と ネコロボット・02

 「関数z^2 と ネコロボット・01」で示した黄色い点線は、点の順番を示すために描いたものであり、実際にはピンクの点どうしを直線で結ぶわけにはいかないのでしょう。というわけで、関数z^2によって直線がどう移るのかを考えようと思います。

 点Pを表す複素数が a+bi のとき、関数z^2によって移される点Qを表す複素数は (a+bi)^2=a^2−b^2+2abi だから、

     P(a、b)、Q(a^2−b^2、2ab)

となります。

 すぐにわかることは、原点は原点に移ること。また、aまたはbが0のとき、2ab=0 となるので、x軸上、y軸上にある点は、x軸上に移ることもわかります。さらに、aの絶対値とbの絶対値が等しいとき a^2−b^2=0なので、直線 y=x または y=−x 上にある点は、y軸上に移ります。

 次に、x軸に垂直な直線について考えてみると、たとえば、直線x=1上の点は(1、k)と表せるので、点P(1、k)が点Q(1−k^2、2k)に移ることから、

   

 x軸を軸とする放物線に移るらしいことがわかります。

   

 今度は、x軸に平行な直線の場合を考えてみると、たとえば、直線y=1上の点は(k、1)と表せるので、点P(k、1)が点Q(k^2−1、2k)に移ることから、

   

 やはりx軸を軸とする放物線に移るようです。

   

(つづく)
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関数z^2 と ネコロボット・01

 「小沢猫」を使って 複素数を2乗する関数 z^2 を考えたいと思っていたのですが、手作業でやっていくには図形が複雑で大変なので、少し簡略化して次のような小沢猫もどきネコロボットで考えることにしました。

   

    (これじゃまるでフレーミーの猫バージョン!?)

 ネコロボットの右目Aは 1+3i で与えられており、これを2乗すると、(1+3i)^2=−8+6i となり、A´に移ります。

   

 左目B、鼻Cも移すと、次のようになります。

   

 他の点のうち、あごの点1からしっぽの先10までの点(第1象限・第2象限にある点)を移してみます。ピンクの点です。(点の順番がわかるように黄色い点線で結んでみました。)



なんとなくネコの上半身っぽい線が見えてきました。

 そして下半身はこんな感じです。



(つづく)
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